1977年に発売した専用LSI搭載型のゲーム機「カラーテレビゲーム」,前回紹介した「カーレース 112」や「ブロック崩し」を製品化した後,任天堂は1980年に携帯型ゲーム機「ゲーム&ウォッチ」を市場に投入した。この製品は4800万台以上販売され,大ヒット商品となった。これらの製品を手掛けた経験が,後にファミコンを生む原動力になる。今回は,このゲーム&ウォッチを発想してから,製品コンセプトを固めるまでを紹介する。(本記事は,『日経エレクトロニクス』,1994年6月20日号,pp.131-134から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります) 1977年に登場した専用LSI搭載型ゲーム機に続き,任天堂の大ヒット商品になったのが「ゲーム&ウォッチ」である(図1)。1台のゲーム機で2種類のゲーム・ソフトを内蔵してある。時刻の表示機能もある。 1980年の発売以来,