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ブックマーク / brevis.exblog.jp (18)

  • 安全と危険の境目をはかる | タイム・コンサルタントの日誌から

    先日、作業現場の安全に関連して「度数率」という概念を紹介したが(「安全第一とはどういう意味か」参照)、これに多少似た概念で「事故率」という尺度がある。こちらは交通輸送などで使われる数字で、一人(あるいは1台)移動距離あたりの事故発生数である。たとえば国交省の統計によれば、国内の全道路における自動車の走行台・キロあたりの「死傷事故率」は現在100件/億台キロ前後である。言いかえると、自動車で100万キロ走行すると、平均約1回死傷事故に巻き込まれる可能性があることになる。 一方、航空機についての事故率は、輸送実績1億人キロあたりの死亡乗客数=0.04人という数字がある。台と人という単位系の違いがあるが、自動車1台に乗る平均人数は知れているから、両者を比較すると、自動車よりも飛行機の方がはるかに「安全」である、ということになる。実際、わたしの知るアメリカ人は北米と東南アジアを頻繁に往復する仕事

    安全と危険の境目をはかる | タイム・コンサルタントの日誌から
  • サプライチェーンのリスク・マネジメント | タイム・コンサルタントの日誌から

    何年か前、国内で工場の事故・火災があいついだことがあった。新日鉄の製鉄所で爆発事故があったと思ったら、すぐにブリジストンの工場でも火災が発生し、かと思うと今度は地震が引きがねとなって出光興産の製油所のタンクが火を噴く、といったぐあいだ。さらに新日石油の製油所まで出火があった(これは幸い短時間で鎮火したが)。 その時、たぶん出すだろうな、と思ったら案の定、経済産業省は工場の安全体制について指示だか通達だかを出した。問題が起こったら、あわてて指示を出す。問題が起こらない限り、何の確認も質問も出さない。お役人というのは、前もって問題を予知しリスクに対処するという、プリベンティブ・メンテナンス(予防保全)やリスク・マネジメントの考え方が、さっぱり身に付いていないところらしい。 この新日鉄とブリジストンの工場の火災事故に関しては、トヨタが自動車生産量を見直す羽目になった、というのでニュースになった

    サプライチェーンのリスク・マネジメント | タイム・コンサルタントの日誌から
    futoshi0417
    futoshi0417 2010/09/20
    あ、通信工学の例えはしっくりくる!
  • 技術力とは何か? : タイム・コンサルタントの日誌から

    「おーい、この間買ってきた鷹の爪、こっちの入れ物かい?」 「そうよ。あ、それ結構辛いから気をつけて!」 「わかった。・・あれ、でも丸ごと1入れても、ちっとも辛くならないよ。どうしてかな。」 「あ、たいていのはあんまり辛くないの。でも、たまに、とびきり辛いのが混じってるのよ。」 「そ、それじゃ“結構辛い”ことにはならないじゃない。」 「でも、ときどき、ほんとにとびきり辛いんだから!」・・・ たまに「とびきり辛い」のと、たいていが「まあ辛い」のと、どちらが当に『辛い』唐辛子だと言えるだろうか? 別の話題。今度はコーヒーの話である。私がかつてフランス企業に駐在して仕事をしていたことは前にも書いたと思う。その会社は立派なキャンティーンを持っていて、みな昼はそこにべに行く。さらに堂の外には、コーヒーを飲んでおしゃべりするためのたまり場がある。そこも会社経営で、とても安くエスプレッソが飲める

    技術力とは何か? : タイム・コンサルタントの日誌から
  • 進捗を把握する3つの方法 | タイム・コンサルタントの日誌から

    言葉の通じぬ、見知らぬ土地でタクシーに乗った。こちらの告げた目的地を、運転手は分かったんだか分からないんだか曖昧な態度のまま、車を発進させる。しばらく乗ったところでやはり不安になり、「もう半分くらいは進んだのかな?」と口にしてみる。すると、隣に乗っていた若い後輩が気楽そうに答えた。「もう、2/3くらいまで来ていますよ。」「なんでわかるの?」「だって、メーター見てください。空港からだいたい30ユーロくらいって、言われたじゃないですか。もう20ユーロ分、走ってますもん。」 進捗を把握するのは、簡単なように見えて、案外むずかしい。それは、私たちが『進捗とは何か』を、当には良く理解していないからだ--こう言ったら驚かれるだろうか。無論、このタクシーの例のように、目的地に向かっているかどうか分からないときに、メーターだけ見て進捗を測るのが無意味な事は、誰でも分かるだろう。では、次の例はどうだろうか

    進捗を把握する3つの方法 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 日本メーカの生き残る途 - 元ソニー取締役・金辰吉氏の講演から | タイム・コンサルタントの日誌から

    金辰吉氏と言えば、ソニー中村研究所専務、ソニー・グローバル生産革新部門長を歴任されたのち、独立して、現在は㈱ワークセルコンサルティング代表取締役を務められる著名な論客である。また、'90年代における日企業復活の原動力となった『セル生産方式』の命名者としても、よく知られている。その金氏が、先日の日経営工学会春季大会で「日メーカの生き残る途」と題した特別講演をされ、とても興味深い内容だったので、ここにその聞き書きを記しておきたい。 金氏とは以前、経営工学会の特別委員会で何度か同席させていただいたこともあるが、きわめて率直かつユーモアあふれる物言いをされる方だという印象がある。むろん、ここに記すことは私自身が聴衆として書きとったメモの内容であって、金氏の来の発表原稿や主張と差違があるとしたら、その責は私にある。 金氏の講演は、何枚かの新聞の切り抜きから始まった。まずは直近の経済新聞から、

    日本メーカの生き残る途 - 元ソニー取締役・金辰吉氏の講演から | タイム・コンサルタントの日誌から
  • ぼくらに英語は分からない | タイム・コンサルタントの日誌から

    何年も前のことだが、私はある米国系石油メジャーとのプロジェクトのために、チーム・ビルディングの会場に向かっていた。春の季節で、朝はまだ寒かった記憶がある。プロジェクトの開始にあたり、発注側(顧客)と受注側(我々)のキーパーソンが集まって、丸1日のセッションを行うことが顧客の要求だった。そのためにわざわざ、専門のファシリテーターまで米国から呼んでいた(そういう種類の専門家があの国には居るのだ)。そして、米国流のチーム・ビルディングがどんなものなのか、私はそこで初めて知ることになった。 参加者の7割以上は日人だったが、使用言語は英語だった。プロジェクトの公式言語は英語を用いる、と契約書に規定されている以上、当然である。その専門家がまず、チーム・ビルディングの意義と進め方を説明した後、二人一組でペアをつくることになった。ペアは必ず発注側と受注側から一名ずつの組合せになっている。そして10分ずつ

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  • JALに乗るおじさんの日記 - あるいは、サービスの質を考える | タイム・コンサルタントの日誌から

    私は家に、2008年11月づけの、大変貴重な新聞「コリエレ・デラ・セーラ」紙の記事を持っている。コリエレ・デラ・セーラは、イタリアを代表する日刊紙だ。この日の一面記事は、「アリタリア航空の売却再建に合意」である。なぜこれが貴重かというと、実はこの紙面を、私は当のアリタリア航空の機上で受け取ったからである。これから乗り込もうとする飛行機の会社が倒産し、従業員は浮き足立っている、そんな機内に足を踏み入れるのは大変スリリングな体験であった。 同じような経験は繰り返すものらしい。 先月、中東出張の途上で久しぶりにJALの国際線ビジネスクラスに乗った。いつものsafety instructionの放送が終わると、客室乗務員の女性が前列に神妙な顔つきで並んで立った。そして「皆様も新聞報道等でご案内の通り、弊社は・・・皆様にご心配をおかけした事をお詫びし・・・サービスのさらなる向上につとめる所存で・・」

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  • クリスマス・メッセージ--「学び」と「気づき」と「見通し」のある社会を | タイム・コンサルタントの日誌から

    Merry Christmas ! “Lessons Learned”という言葉をはじめて聞いたのは10年ちょっと前のことだったろうか。米国系メジャーオイルのためにプロジェクトをしていたころだ。ちょうど私が責任者として担当していたMES関連のサブ・プロジェクトが完了した時に、相手側の責任者が、「じゃあ、君が帰国する前に、Lessons Learnedをまとめておこうじゃないか」と言ってミーティングに呼ばれたのである。 ミーティングの場では、客先側と、私たちエンジニアリング会社側とで、それぞれ良かったと思う点、失敗だったと思う点などを、ざっくばらんに挙げることになった。まずかった点は、次の機会にはどうするべきかについても、一緒に考えた。客と受注側では立場も見解も異なるわけだが、まあプロジェクトが終わる頃は一応リラックスして話もできる。そこから、次回への教訓を汲み上げて、リストにまとめて文書化

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  • 期日つき督促の矛盾と『学生シンドローム』 | タイム・コンサルタントの日誌から

    『督促』というのは嫌われる言葉だ。される側にとってはうるさいばかりか迷惑千万に感じられ、する側だって楽しくない。この言葉を『催促』と言いかえてみても、もちろん同じだ。陶しいものであることに変わりはない。 「督促する」を英語ではexpediteという。ところで、私の働くエンジニアリング業界には、Expeditorという専門職種がある。日語に直訳すれば、「督促者」だが、この恐ろしげな名前の人たちは何をする人たちなのだろうか。まさか鞭を持ってオフィス内を歩き回り、人を後ろから怒鳴りつけるのだろうか。 実際には、エクスペダイターは、外注先の工場を定期訪問し、その進捗状況をコントロールする仕事をしている。日語での名称も、「工程管理」という、もっと受け入れやすい穏和な(?)肩書きをつかう。 エンジニアリング会社は、客先のために工場を設計し、機械や資材を調達し、建設工事を管理することが仕事である。

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  • プロジェクト・コミュニケーションに必要な3つの能力 | タイム・コンサルタントの日誌から

    一般にプロジェクト・マネージャーの働く時間の4割は、コミュニケーションに使われている、としばしばいわれる。いや5割以上だ、との説もあり、私の実感はこちらに近い。とにかく、プロジェクト・マネジメントというのは、朝から晩までかなりの時間を、何らかのコミュニケーションに費やしている。メールを読み、メールに答え、社内で打合せし、顧客や発注先と会い、会ったらその結果を打合せメモにしてまた発信する。そのかたわら上司の質問に答え、会社に報告書を出して、というわけで、朝から晩までずっとコミュニケーションに追われている感じである。 「プロマネ」という社内肩書きはついていないが、個別受注生産の設計部門や、あるいは品種の多い製造業の開発部門・生産技術部門の技術者なども、おそらく似た事情だと思われる。エンジニアと名乗って仕事はしているが、自分で計算したり図面を書いたりする時間はちょっぴりで、大半の時間を顧客や社内

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  • お見積りは無料です | タイム・コンサルタントの日誌から

    最近、電車に乗っていると、ときどき壁面上部の広告欄に空きスペースを見かけるようになった。さすがに、つり革広告はまだフルに使われているようだが、少しずつ車内広告の量が減少しているらしい。テレビ局や雑誌社も広告収入の減少で青息吐息の状態だ。 情報というものが無料で手に入る、と広く信じられるようになったのは、20世紀後半のことかもしれない。それまでは、だろうが新聞だろうが、一応の対価を払って手に入れていた。それが、ラジオが普及し、さらにテレビが後を追って、受信料を取るNHKをのぞく民放はすべて無料で番組を提供する時代になった。これは広告という新しい産業のおかげである。私は子供の頃、テレビが家にきたのをかろうじて覚えている世代に属するが、おそらく40代以下の人たちは、生まれたときから家にTVがあって、無償でさまざまな情報が送られてくるのを、空気を呼吸するのと同じ感覚で受け止めているにちがいない。

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  • マイルストーンは中点で測れ | タイム・コンサルタントの日誌から

    プロジェクト・スケジューリング立案作業の第一歩は、いうまでもなくWBS(Work Breakdown Structure)の作成である。成果物スコープとプロジェクト・スコープを、もれなく・重複なくカバーするタスク(アクティビティ)をすべて拾い上げる。それらを階層的に構成し、整理番号をつけたものがWBSだ。スケジューリングは、WBSを構成するアクティビティの所要期間を見積り、また、それらアクティビティ間の論理的な着手順序や依存関係を決定して、ロジック・ネットワークに落とし込む(ここは何らかのソフトウェア・ツールを利用することが多い)。その上で、クリティカル・パスを求めると、それがプロジェクト全体の工期となる、という訳である。 通常はさらに、クリティカル・パス上の主要な達成点に、「マイルストーン」を設置する。これは後の進捗管理を分かりやすくするための工夫だ。ここまでは教科書的な常識の話で、誰も

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  • R先生との対話(2)--日本の製造業の困惑 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「さて、かんじんの日の現状だ。日の製造業の状況を知るには、君の会社のように、世界のあちこちからプラント資機材を調達しているところに聞くのも手だろう。君のところは、日からの調達比率は最近どれくらいある?」 --それは、国内顧客向けか海外向けかでちがいますね。国内のお客さんは、やはり日製品を好まれます。欧米製でも、メンテナンス体制に少しでも不安があればダメ。ましてアジア製なんて論外、という風潮がまだ少し残っています。 しかし、海外のプラントの場合、以前から国内調達比率は1/3程度でした。それも、こんなに円高では、もうじき3割を切るかもしれません。私の勤務先は海外向けプロジェクトが全体売上げの80%以上ですから、もはや基海外調達です。欧米やアジアで機材を買って、中東や南米に運んで建てる、そういう状態です。 「そうか。いまや三角貿易が中心か。昔は(つまり君が会社に入る前の時代は、だがね

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  • 少しずつコントロールのレベルを上げていく | タイム・コンサルタントの日誌から

    「マネジメント」という仕事を問うと、それは“PDCAのサイクルを回すこと”と答えがすぐ返ってくるくらい、近年PDCAによる継続的カイゼン活動の概念は浸透し、広まっている。PDCAはもちろん、Plan - Do - Check - Actionの略だ。 Plan, do, checkと動詞が三つ並んで、そのあといきなりActionという名詞が来るあたり、なんだか和製英語ではないかという疑いが晴れないが、“いやこれはデミング・サイクルと言って、品質管理で有名な米国人デミング博士の提唱によるもので”などと力説する人も多く、世界共通の概念ということになっている(ちなみにWikipedia英語版のW. Edwards Demingの項を見ると、"also known as Plan-Do-Study-Act or PDSA"とも書いてあって、こちらの方が英語らしく感じる)。 しかし今日の話題は、私の

    少しずつコントロールのレベルを上げていく | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 受注生産という名前の見込生産 | タイム・コンサルタントの日誌から

    生産管理の教科書をひもとくと、最初に「生産形態と生産方式」という話が出てくる。そして、製造業は『見込生産』と『繰返し受注生産』と『個別受注生産』に分類できるとの説明がある。いうまでもなく、見込生産は自社が需要を見込んで、先に生産してから販売する形態である。受注生産は逆に注文を受けてから(=需要が確定してから)生産する形態で、それはさらに、すでに設計済みの製品を受注に応じて繰り返し作るケースと、設計自体から個別に着手するケースとにわけられる。 見込生産品は一般消費者向けの製品が多い。家電だとか自動車だとか日用雑貨品など、TVでコマーシャルをうって名の知られている企業の製品だ。そこで、つい生産形態というと見込生産が中心のように感じている人が多い。しかし、自動車一つとってみても、車両メーカー1社の下に、多数の部品メーカーがぶら下がっている。家電なども同様だ。つまり、見込生産よりも受注生産(とくに

    受注生産という名前の見込生産 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 究極の管理学とは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    最近、知り合いの東大教授から面白いことを聞いた。「東大には、なぜか管理学系の学科がないのです。」と、この先生は言う。「たとえば工学部には管理工学科とか経営工学科といった学科がありません。経済学部には一応、経営学科がありますが、実質的には経済学科とは垣根が低く、一体に近いようです。工学系大学院にMOT(Management of Technology)を意識した『技術経営戦略学』が最近設置されたのが、唯一それに近い存在でしょうか。」 つまり、日の最高峰と世間で言われている学府は、どうも「管理」を学問や教育の対象とは考えていない、ということらしいのだ。京大についても、Wikipediaで調べてみると「経営管理大学院」はあるが、これもつい最近(2006年)に設置されたばかりである。事情は東西でよく似たようなものらしい。こういう話は、生産管理だとかプロジェクト・マネジメントだとかで飯をっている

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  • プロジェクト・マネジメントは組織としての能力である | タイム・コンサルタントの日誌から

    プロジェクト・マネジメントという言葉は、この10年間でずいぶん普及した。それと同時に、誤認識や誤解もある意味で増えたと思う。そのひとつが、リーダーシップとの混同だろう。そもそも会社によっては、そもそもプロマネと呼ばずにプロジェクト・リーダーと呼ぶところもある(IT系企業に多いような気がする)。リーダーとは課長ないし係長相当の役職を示しているに過ぎないのだが、「リーダー」という言葉からリーダーシップを連想するのは、ほんのひとまたぎの距離だ。 ここから、プロジェクトの失敗はリーダーシップの欠如に原因する、という判断が生まれてくる。そうなると、“じゃあ、有能なリーダーをもってくれば解決する”、あるいは“リーダーシップの強い人物を任命すれば成功する”との短絡した結論が出てくる。リーダーシップ論だけではプロジェクトの失敗は救えない、という話は前にも書いたので、ここでは繰り返さないが(「プロジェクト

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  • 頭が良くなる、のを避ける方法 | タイム・コンサルタントの日誌から

    科学者・寺田寅彦の名言に、「頭のいい人は批評家に適するが行為の人にはなりにくい」ということばがある。つづいて、「すべての行為には危険が伴なうからである。けがを恐れる人は大工にはなれない。失敗をこわがる人は科学者にはなれない。」という(元の文章『科学者とあたま』は青空文庫に掲載)。これは今から75年前の発言だが、いまだに全く古びていない。いや、それどころか現代における警鐘として、ますます重要になっているのではないか。 最近ときどき、とても頭の良い、物知りな人に会うことがある。大企業の人に多いが、こちらが何か提起したり、問いかけたりすると、すぐにその先の帰結を述べてくれる。「その線はうまくいきませんよ、市場はむしろ逆の方に動いていますから。」「あの企業が成功したのは、じつは裏に理由があるんです。それは・・・」こういう風につづく。部下が何かをたずねると、たちどころに由来や帰趨を説明してくれる。と

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