前回(「クルマが「自律的」に走るとき、自動車業界はどうなっているのか」)は、ITS(Intelligent Transport Systems)の現状と、今後、自動車業界と社会全体はどのような受け入れ態勢をつくらなければならないのかについて述べた。今回はITSの技術的課題について見ていく。 自動車という複雑な機械を操って、道路(ではない場所であっても踏破が可能であれば)を走ることを可能にする「多機能センサー」「認知判断を行い制御の内容を決めるプロセッサー」「機能操作アクチュエーター」が一体になった“人間”という制御システムは、一瞬の中で極めて複雑な作業を簡単にこなす。これを人工物で置き換えるのは非常に難しい。 しかしこの「人間という多能・制御システム」には弱点もある。1つは個々の能力や習熟度のレベルが様々であって、そのばらつきの幅が大きいこと。そしてもう1つは、時々ミスや機能低下を起こし、
モデリング 技術 技術-Technology 三角原型 - 「洋裁CAD(桃CAD)」の開発者である工房奥谷氏による性別体格を... 2024-07-25 『立体裁断アプリ』や『桃CAD(洋裁CAD)』の開発者である工房奥谷(@tomosan119)氏による、性別体格を問わず理論上は補正が不要になる原型型紙製図法「三角原型」の技術論文「3D 人体計測データを基にした適応的なゆとり量の個別型身頃原型の開発」と動画が公開されています。 続きを読む ソフトウェア&ツール-Software&Tool テクスチャ ソフト Height Lab 1.2.3 Beta - 数式レイヤーを重ねて視覚的にわか... 2024-07-23 Little Dreamer Gamesによる数式レイヤーを重ねて視覚的にわかりやすく確認しながらハイトマップ&法線マップを生成する専用ツール「Height Lab」がSt
前回、『写真に基づく3D空間構築手法の到達点』としてバラバラの写真から3D空間を構築する手法について取り上げた。コメントで言及された人もおられたが、MicrosoftはPhotosynthとして、同様にStructure-from-Motion (SfM)を用いて写真をつなぎ合わせ、インタラクティブにブラウズできるPhotosynthを公開している。 Photosynth Overhead View on Vimeo Photosynth + Bing Maps on Vimeo 現在、研究レベルではWeb上にアップされた不特定多数のユーザによる膨大な写真から街一つを再現するプロジェクトが推進されている。その名も"Building Rome in a Day"(ローマを一日にして成す)だ。下の動画はFlickr検索された画像から生成された3Dモデルを示している。本エントリでは、論文*1に基
一昔前は実世界の建築物を元にウォークスルー可能な3D空間を構築しようと思ったら、まず各部屋の形状を計測器を用いて計測し、その計測結果に基づいて人手でモデル化し、領域ごとにテクスチャを貼り、照明を設定して……と気の遠くなるような作業が必要だった。3D空間の構築は極めてコストの高い作業だったが、近年では2次元画像(実写写真)に基づいた3D空間の構築手法が長足の進歩を遂げており、以前に比べれば極めて低コストに3D空間を構築する事が可能となっている。 【告知】Twitterはじめました。@LunarModule7です。 興味のあるかたはフォローくださいとしばらく宣伝。 今ではバラバラに撮影した写真から、全自動で3D空間を構築し、内部を自由にウォークスルーできるようになっている。ワシントン大学とMicrosoft Reseachが2009年に発表した研究*1は現時点における集大成とも言えるものとなっ
現在最高の圧縮効率を誇るAVC/H.264は1GbpsのフルHDTVを10Mbps以下に圧縮できる。1/100以上の圧縮率ということになるが、次世代beyond HDTVの8k4kの空間解像度、60〜300fpsの時間解像度、マルチスペクトルの色表現、10〜16bit/pelの画素値深度、複数視点を考えると情報量は16〜200Gbpsとなるため、ビットレートを100Mbpsまで許容したとしても、圧縮率をさらに10倍は引き上げる必要がある(1/1000以上)。 上記の要求に対し、短期的には従来のAVC/H.264で用いられている動き補償予測とDCTを組み合わせたMC+DCTの枠組みを維持し、改良を積み重ねて圧縮率向上を図るアプローチが取られるが、長期的には従来の枠組みに囚われない新たなブレークスルーが必要となる。本エントリでは、情報処理6月号の解説*1より、画像圧縮技術のブレークスルーの萌芽
前回は,人間の耳に当たる機能を機械に持たせるための音声認識技術の最新成果を概観した。最終回の今回は,人間の視覚を上回る機能を目指した研究開発を取り上げる。1万フレーム/秒相当の動画を数十mWで実現するという目標を掲げた研究などが進んでいる。連載の目次はこちら。(本記事は,『日経エレクトロニクス』,2008年2月25日号,pp.79-83から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります) 視覚センサ,特にセンサ素子部分は,既にさまざまな撮像素子として他の五感センサに比べて圧倒的に実用化が進んでいる。顔認識や笑顔認識のような画像認識技術も進化を続けている。しかし,その大部分は人間の視覚にいかに似せるかを追求したため,人間の感覚を超える高性能の追求という点では一部を除いて今のところ進展は見られないのが現状である。特に,超高速で動く被写体への対応や情報処理でそれは顕
次元を超えた画像解析技術――「Deep Zoom」と「Photosynth」を体験する:Lookup! せんせーしょん(1/4 ページ) いまや我々は日常的にPCを使っている。まるで写真のように高精細な動画を瞬時に表示するハイスペックなPC、そしてそれを映し出すディスプレイは一昔前では考えられないものだ。しかし、映画やアニメに出てくる“コンピュータ”とはどうも違うような気がしないだろうか。 古くは“コンピュータ”といえば研究所に備えられた巨大な筐体の中で磁気ディスクが回り、紙テープで打ち出された計算結果を見て博士が「ヤツの弱点はしっぽだ! しっぽへの攻撃が成功する確率は94%!」とか口走るのが定番だったが、PCが普及し始めるとこの描写も変わってくる。 もちろんその描写は、“コンピュータ”が重要な局面であればあるほど分かりやすい脚色が加えられ、現実離れしていく傾向がある。とはいえ、テクノロジ
「で,この写真なんですけどね,どうです?」 「うむ?ん?あれっ?」 「不思議な写真でしょ。でも,これを自然に感じる人もかなりいるんですよ」 CMOSセンサの有力企業,米OmniVision Technologies Inc.の日本法人に先日訪問し,同社の試作品で撮った画像を見せてもらいました。冒頭の言葉は,そのときのやりとりです。 みなさんも右の写真を見てください(図1)。違和感があるでしょうか。そういう方は恐らく,一眼レフ機で撮った写真に慣れた方,逆にそう感じなかった方はカメラ付き携帯電話機や小型デジタル・カメラでの画像に慣れた方ではないでしょうか。 なぜなら掲載した画像は,噴水も家の外壁も,木々の緑も,すべてそこそこの解像感を持っているからです。カメラで写真を撮れば通常,これらのどれかにピントが合い,ほかはボケます。 こうした被写体との距離に応じたボケは,撮像素子の面積と密接な関係
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