各国の厳しい環境規制を背景に、自動車業界ではパワートレーンの電動化が進んでいる。電気自動車(EV)と共に市場を拡大しているのがハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、簡易ハイブリッド車(MHEV)だ。HEV、PHEV、MHEVは“ハイブリッド車”とひとくくりにされる場合が多いが、それぞれのシェア上位を占めるプレーヤーは大きく異なる。今後の販売台数の推移も地域ごとに差が開く見通しだ。
前回は、カーボンニュートラル(炭素中立、CN)燃料の普及を考えるうえでの主要ドライバーとその振れ幅に関して設定した3つのシナリオについて紹介した。今回は、実際にこれらのシナリオに基づき、時系列、国・地域、用途によってどのような形でCN燃料を含めた輸送機器の動力源のCN化が進んでいくのか予測結果を幾つかの切り口から紹介したい。 年次別×用途別CN化の違いを生む3要素 アーサー・ディ・リトル(ADL)では、これまで紹介してきた各国政策やCN燃料や各用途別のCN技術開発動向を統合的に分析し、2040年までの各国および各用途別のCN化技術の普及割合を定量的に予測している。その一例が、ベース(成り行き)シナリオを前提とした米国における予測結果である(図1)。 こちらはフロー(=各年単年の販売台数ベース)ではなく、ストック(=各年時点での保有台数ベース)で示したものである。まず年次で見ると、現状(20
日本のV2X(Vehicle to Everything)通信には、「新たな通信方式が必要」――。最近、こう結論づけたのが、SIP第2期の自動運転である*1。 *1 SIPは、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム」のこと。SIPでは、2018~22年度に、「SIP第2期の課題の一つである『自動運転(システムとサービスの拡張)』」(SIP第2期の自動運転)の中で、V2X通信を使った協調型システムについて検討・検証を実施している。 V2X通信は、車載センサーを駆使する自律型の自動運転車/先進運転支援システム(ADAS)搭載車の限界を補う技術として期待されている。車車間(Vehicle to Vehicle、V2V)、歩車間(Vehicle to Pedestrian、V2P)、路車間(Vehicle to Infrastructure、V2I)、クラウド-車両間(Vehicle to
操舵(そうだ)ユニットと転舵ユニットを機械的な接続ではなく、電気信号で接続する。2013年に日産自動車が世界で初めて実用化した。(出所:ジェイテクト) トヨタが2022年半ばまでに発売予定のEV「bZ4X」にSBWを搭載する。ジェイテクトの開発品が採用されるとみられる。シェフラーは、福祉車両などに改造するための後付けSBWを長年手掛け、レーシングカー向けにも開発を進めてきた。25年から自動車大手の量産車向けに少量生産を開始し、26年から27年までの間に規模を拡大する計画だ。 これまで日産自動車が13年から「スカイライン」にSBWを採用していた。ただしハンドルとタイヤの間に、クラッチを備えたステアリング軸を残し、電気系統の失陥時はクラッチをつなぐことで安全性を高める機構だった。軸を残したことで配置の自由度が下がり、一般的な電動パワーステアリング(EPS)に対する利点は少なくなる。 一方でジェ
メディアスケッチ 代表取締役、サイバー大学客員講師、サートプロ IoT技術講師、IoT検定制度委員会メンバー 「ディープラーニング」──。この言葉を聞いたことがないという人は、さすがにいないのではないでしょうか。2015年10月、米Google社が開発した、ディープラーニングによる人工知能エンジンを搭載した「AlphaGo」が、当時世界でトップ3に入る囲碁のプロに4勝1敗で勝利しました。これが一般の新聞やテレビのニュースでも大きく報じられ、ディープラーニングという言葉は一躍有名になりました。 これは、人工知能が近い将来、社会におけるさまざまなシーンで活躍すると同時に、企業のビジネスにとって必要不可欠なものになると私たちに感じさせる出来事でした。 実際、2015年以降、人工知能のビジネスへの活用を検討する企業は増加し、私のところにも頻繁に相談が来るようになりました。ここで、企業の社長や企画担
前回はこちら 教師あり学習(supervised learning)は、「機械学習といえば教師あり学習」といってもいいくらいの機械学習を代表する一分野です。何かを認識したり、予想したりするために必要な手法です。今回は、いくつかの代表的な教師あり学習アルゴリズムを見ていきましょう。 既にたびたび説明していますが、教師あり学習はデータと正解のペアを与えて、それをもとに学習する方法です。文字認識(数字の認識)を例に取ってみましょう。以下の図1を見てください。 まず、プログラムに数字とはどのようなものかを教えるためのデータが必要です。いろいろな形の数字の画像をたくさん用意します。図1では3つずつしかありませんが、普通は数百~数万ほど集めます。そして、それぞれの画像に対して、その画像はどの数字に対応しているのかという正解データも用意します。これを教師データと呼びますが、ラベル、教師信号など色々な呼び
将棋プログラムは、人工知能を学ぶのにぴったりな題材です。コンピュータに将棋の指し手を考えさせるには、第2回で説明した昔ながらの記号処理的人工知能から最近の機械学習まで、幅広く使う必要があるためです。それよりも何よりも、将棋という題材は楽しく盛り上がります。 前回までは、人工知能の定義や分類、向く仕事と向かない仕事、人工知能の歴史を見てきました。今回からはいよいよ人工知能のプログラミングとして、将棋プログラムをつくってみることにします。 様々なゲームの中から将棋を選んだのは、将棋が日本人に親しまれているほか、本将棋からミニ将棋まで幅広い種類があり、適当な難度の将棋を選択できるからです。たとえばミニ将棋であれば、研修の中でプログラミングできる難度です。後日、ミニ将棋を使った研修の事例を紹介する予定にしています。 将棋自体のルールはここでは紹介しませんが、将棋が他の盤上ゲームと比べてどのようなゲ
NKリレーションズ合同会社(NKR)の子会社であるドクターネットは、深層学習(ディープラーニング)技術を用いた医療画像診断技術の開発と事業化について、東京大学発のベンチャー企業PKSHA Technology(パークシャテクノロジー)と事業提携契約を締結した。 今回の事業提携契約は、ノーリツ鋼機の子会社であるNKRが2016年4月27日付でPKSHA Technologyと締結した、第三者割当増資を含む資本業務提携契約に基づくもの。 アジア最大級の画像診断レポートデータベースを有するドクターネットの画像データ(ラベル付教師データ)と、PKSHA Technologyの深層学習技術を組み合わせ、深層学習技術を用いてレントゲン検査やCT検査、MRI検査における画像診断をサポートするアルゴリズムの設計を促進する。さらに、人工知能分野の深層学習技術を用いた診断アシストツールの開発と事業化を進める。
1967年に東芝に入社後,半導体プロセス技術研究所所長などを経て2001年に東京大学の客員教授に就任した。 都会のど真ん中に50階のビルを建てて農場を作る——。そう真剣に話すのは東京大学 先端科学技術研究センター 客員教授の奥村勝弥氏である。東芝で30年以上にわたり半導体プロセス技術の研究開発を指揮した経験を生かして,現在は東京大学でMEMS技術の研究を手掛けている。半導体とMEMSがどのように農業に関わっていくのか聞くとともに,その発想がどのように生まれたのかを奥村氏の技術者人生から紐解く。 奥村氏は,日本の将来を考えたときに,ハイテク農業が最も適していると説く。 ——なぜハイテク農業なのですか 20年,30年先まで考えたときに,日本の技術は何で一番になれるだろうか。何に力を入れるべきか。ITや通信,バイオ,薬,自動車などは米国や欧州,将来はインドや中国などに勝てないかもしれない。日本が
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