父が死んで1年になる。去年のことや父のあれこれを、ぽろぽろ思い出してる。 一人暮らしのアパートで亡くなった。64歳だった。 遺品整理で父の部屋を見たときにノートが何冊もあった。父の端正な字でびっしり埋められていた。そんなものを書いているとはまるで知らなくて、目にした瞬間驚いたというか、身震いするような衝撃だった。なにか途方もない感じがした。 父にはほとんど知人がいなかった。離婚したけれど母が同じ市内にいてときどき連絡をとっていたのと、遠く離れて暮らす僕だけだった。趣味もとりたてて持っているわけではなかった。他人から見れば、ただ意味もなく日々を過ごしていた「独居老人」の「孤独死」ということになるんだろう。 確か2006年の冬ごろ、おばあさんの孤独死のニュースを報道ステーションで扱っていたことがあった。わざわざおばあさんの自宅前でリポートして、おばあさんが友人も趣味もなくただタバコを吸うのを楽