印刷 さまざまな組織になることができるヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使って、目の網膜を治療する臨床試験(治験)で、患者の視力の改善効果があったとする成果を、米国の研究チームが23日付の英医学誌ランセット(電子版)に発表した。移植された細胞に異常や拒絶反応もないという。 アドバンスト・セル・テクノロジー社と米カリフォルニア大のチームは、失明につながる「加齢黄斑変性」と「黄斑変性」の患者を対象にES細胞から作った網膜色素上皮を移植する治験を昨年から始めた。 移植から4カ月までに患者2人の網膜色素上皮は定着、細胞の異常増殖やがん化は確認されていないという。安全性を確かめる試験で、実用化には有効性の立証が必要になるが、特殊な視力表を使った検査で視力の改善がみられたという。ヒトES細胞の治験の成果が明らかになるのは初めて。 購読されている方は、続きをご覧いただけます