鈴木孝則(すずき・たかのり)は、そこでシャワーを浴びてくれという。 事前に聞いたときは、たとえば研究所や工場の無菌室に入る際に浴びるエアシャワーの類を想像していたが、そこでは言葉どおりシャワーを浴びなければならなかった。できれば洗髪もしてほしいという。言われたとおり、私は頭から全身を洗った。 シャワーを浴び終えると、脱衣室とは反対側の更衣室に進むよう促される。そこにはバスタオルと一緒に、おろしたての下着から靴下、Tシャツ、それに作業用のツナギが一揃え用意されていた。これを着ろという意味らしい。 オフィスに入るには、それだけの“儀式”が必要だった。 何故なら、そこは養豚場で、外部からの雑菌を持ち込むわけにはいかないからである。私ばかりでなく、鈴木ら農場で働くスタッフもみな、出勤するとオフィスに入る前にまずシャワーを浴びる。早い話が、洗髪洗体は彼らにとってタイムカードを押すような感覚なのだろう
実家に帰省したりしてひさしぶりに東京を歩いたら、人混みにとまどった。 とくにとまどうのは、渋谷の交差点である。あまりに、人、人、人。 どうやったらあんなに人がたくさんいて、ぶつからずに歩けるのか。 自分で歩いておきながら、まさしく奇跡であると思う。 帰省し、クルマを運転してまた思った。こんどは高速道路。 常識を大きく外れたスピードで、鉄の塊が飛び交っている。 なぜ、私はカーブにつっこんだり、ほかのクルマと接触しないのだろうか。 ところで、何人かで打ち合わせをしていて、混乱してしまうときがある。 みんなが、いろいろなことを言う。それぞれの意見を解釈して、どうしたら うまくいくものか・・・そもそも理解するので精一杯になることがある。 手慣れた先輩が、かんたんに議論をまとめていくのを見て、驚愕する。 結局、遠くを見ると、なぜだか自然に歩くことができる。 高速道路の運転のコ
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 やりたいことが見つからない。 よく聞く言葉ですけど、「見つからない」要因について考えてみたことあるのでしょうか? 「見つからない」のは、視力の問題じゃないかと思うのです。 物事見る目。目利きの力が不足してるんじゃないか、と。 やりたいことは自分の目の前にはなくても、世の中のどこかには存在しているやりたいと思えることについて、ちゃんと考えてみれば、 すでに世の中には存在していることを自分でもやりたくなるかいまだ自分がやりたい形では世の中には存在しないが、すこし異なる形だったり、いくつかの要素を組み合わせて編集することでやりたいことになるような形では世の中に存在しているか の2つに1つであることがわかります。 つまり、完成形であるか素材の状態であるかは別にして、すくなくとも将来
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 必要になってはじめてスタートを切るのでは遅い。スピードを上げたいなら速度を上げるのではなくスタートを早めないといけない。 でも、必要になる前にスタートを切るためには、いつスタートすればよいかということを「必要」以外の理由で感知できないといけません。 「スピードを上げたいなら速度を上げるんじゃなくてスタートを早めること」と簡単に書きましたが、実は、スタートを早めるためにはもう1つ、いつスタートを切ればよいのかというもう1つ別の課題があるわけです。 人が気づいていないものに気づくスキル本当に必要になる前にスタートを切れるようになるためには、ようするに先見の明がスキルとして必要になってくるわけです。いまだ多くの人が気づいていないことに、いかにして早く気づくことができるかが重要にな
賃貸暮らしのわが家の地震対策【揺れから命を守る編】 以前のブログでも記載した、防災の優先順位に基づいて対策を進めています。まだ手をつけられていない部分もありますが、ある程度まとまってきたのでざっくりとご紹介していきます。 優先順位別に改善していっているため、今回は主に地震の揺れ対策がメインになります。…
一昔前は各家庭にミシンがあって、家で母親が服を縫うということが当たり前の風景だったが、最近では服は買うもの、破れたら買い換えるものになって、めっきり家庭でミシンを使う機会が減った。 家庭用ミシンの市場規模もかつての面影はない。経済産業省の生産動態統計によれば、平成18年の家庭用ミシンの販売台数は419,160台、販売金額にして107億円程度となっている。平成14年でも台数としてはほぼ同じだが、販売金額は50億円ほど減少している。一定数の需要はあるがじわじわと低価格化が進行している典型的な成熟市場と言える。 ミシンが登場した当初は夢のマシンとして全国の主婦に熱狂的に受け入れられ、羨望の商品であった。ミシンの稼働率は現在と比較にならないほど高く、家庭を預かる主婦の主要な仕事の一つだった。その当時、ミシンがない家庭が増えるということを予言したとしても、一笑に付されただろう。ところが現実は、ミシン
中学の時、担任の先生が言いました。 人と会う時は、その人の良いところを10個イメージしてから会いなさい その人と会うのがもし嫌だったとしても、その人の良いところを10個イメージすれば、きっと会うのが嫌ではなくなるはずだから、と。 友達と会う前に、その人の良いところを10個イメージすれば、きっと笑顔で会えるから、と。 さらにもっと良い方法を、先生が言いました。 会った瞬間、その人の良いところを1つ言ってごらん 褒められて嫌な人はいないはずだから、と。 少し恥ずかしがって照れるかも知れないけど、きっと嬉しいはずだから、と。 そして、クラスのみんなにこう言いました。 では、まず練習として、となりの席の子の良いところを10個イメージしてください クラス中から聞こえてきた声は、 えー、こいつの良いところなんて10個もないよー 悪いところだったら、いくらでもイメージできるんだけどなー 生徒たちの声に対
Lesson225 テーマと世界観 「やりたいことがみつからない」って、 みんなよく言うけど、 そう言うときの、その 「やりたいこと」って、どういう次元なんだろう? ジャンル? 職業名? 会社? 姪っ子が大学受験で、 自己推薦状を添削していた。 彼女には、ちゃんと「やりたい職業」がある。 社会福祉士だ。 意志はかたい。 だから、サクサク自己推薦状が書けるか? というと、案外そうでもなかった。 やりたい職業名は、はっきりしている。 でも、それだけでは、弱い。 単純に言ってしまうと、 「社会福祉士になりたい、 だから、大学へ行きたい。」 という文章になってしまう。 「で、大学に行って、何を学ぶの?」 と突っ込まれそうだ。そこで、 「テーマがいるね」と私は言った。 その職業に就いて、主にどんなテーマに 取り組んでいきたいのか? 姪っ子には、ちゃんと「マイテーマ」があった。 「地域と福祉」だ。 彼
日曜コラムです。こんばんは。 前回 情報をめぐるポジティブ・ループ - ギブアンドテイクの波に引き続き、「情報をめぐるポジティブ・ループ」のお話です。 前回は情報の give & take には時差があること、そして情報を多人数で デバッグするという行為は、中心となる発信者自身の成長を加味することで、 初めてポジティブ・ループが発生しうるということについてお話しました。 (1)give → (2)take → (3)give → (4)take → (5)give → ・・・ 最初の (1)give は小さく、しかし最後の (5)give は大きい、それは、 それだけ対話による 知識の洗練・増幅 が起こったということです。 しかし知識量だけで言えば、最後の (5)give が出た時点でそれをゲットすれば、 このgiveの主(情報発信者)と同じだけの知識量を得られることになります。 だったら
学生のブログを(盗み)読みしていると、実におもろい、たのしい。 なかには読まれていることに気づいていない(らしい)学生さんもいるが、けっこう探りあてたりしているのだよ。 それはともかく、先日、3人の3回生が「就活がせまってくるんですけど、何をしたらいいんでしょうか」と研究室にやってきた。 自分ではたいした話をしたおぼえもないのだが、3人が3人とも、その話をブログに書いていて、「へえ」と思った。 いや、「これくらいのことでも、案外、意識できていないもんなんだなー」と思ったのである。 就職の希望先は?と訊くと、マスコミ関係だという*1。 それなら話は簡単。 「100人に1人しかあてはまりそうにない自分のセールスポイント(PRポイント)を見つけたまえ。なかったら、あと半年で作りたまえ」 ここで、一挙に場の雰囲気は「......orz」状態になる。 言うまでもなくマスコミ業界は難関である。 大手の
「あのね、そういう患者さんは背伸びばっかりしていて、ちっとも身近なことをやろうとしないのよ。その子、自分の洗濯物、自分で洗ってる?まずは、そういうところから始めないとダメなのよ。」 研修医になりたての頃、外勤先のベテラン女性医師が、昼休みによくそんな話を私にしてくれた。 当時は医師として右も左もわからず苦労していた時期で、家のことよりも仕事のことばかりが頭にあった。患者さんについて、もう少し専門的な意見が欲しいのに・・・という気持ちと、その先生の患者さんに対するアドバイスが、何となく自分自身にも重なるような感じもして、複雑な思いを抱きながら話を聞いていたものだった。 しかし、その後ほどなくして若い世代の多くの人たちが抱えている問題として「実体験が乏しい一方で、言葉のみが氾濫していることによって起きる、慢性的な空虚感」と「その空虚感を人間関係で補おうとするために生じる、対人関係の過度なまでの
JTPA(Japanese Technology Professionals Association)主催の第1回シリコンバレーツアー(キャリアパスが主要テーマ)が無事終了。日本からの参加者(北海道から鹿児島まで広く分布)は、いちばん若いのが20歳になったばかりの大学2年生君。いちばん年上が28歳か29歳の社会人。つまり、全員20代の20人で、学生比率は6割くらいでした。朝から夜までのみっちり詰まったアジェンダに加えて、JTPAの有志たちと参加者の皆さんとは、セミナー終了後も、ホテルのどこかの部屋に集まって、反省会と称して、深夜まで、飲みながら話をしていたらしいです。元気だなぁ。僕たちも楽しかったけれど、きっと参加者の皆さんも充実した時を過ごすことができたのではないかと思う。 記憶に残るリアルな経験 何よりも、ツアー期間中の天気が最高に良かった。今年に入ってからずっと雨模様だったので心配し
このドメインは お名前.com から取得されました。 お名前.com は GMOインターネット(株) が運営する国内シェアNo.1のドメイン登録サービスです。 ※1 「国内シェア」は、ICANN(インターネットのドメイン名などの資源を管理する非営利団体)の公表数値をもとに集計。gTLDが集計の対象。 ※1 日本のドメイン登録業者(レジストラ)(「ICANNがレジストラとして認定した企業」一覧(InterNIC提供)内に「Japan」の記載があるもの)を対象。 ※1 レジストラ「GMO Internet, Inc. d/b/a Onamae.com」のシェア値を集計。 ※1 2020年8月時点の調査。
試験監督なんてものをすることがあるが、あれはどうにもいたたまれない。他の人が頭を振り絞っている間に自分だけのほほんとしていることの後ろめたさもさることながら、受けている人たちのあせりとかいらだちとか不安とかいったものがあたりに充満しているから、というのが大きい。中には試験中からもうだめだと落ち込んだり投げやりになってしまったりしているような感じの人もいたりして、なんとも申し訳ないような気分になる。 気にするなって、といいたいのだが、なかなかいう機会はないので、一応書いてみる。次にそういう機会があったときのために。 もちろん、試験は重要だ。特に、どの学校で学んだか、どのコースを受講したか、どの資格をとったかなど、形式が重要である場合には、当然ながらそれに関係した試験の結果がすべてといっていい。形式は、ある種の状況下ではけっこうものをいう。だからそうしたものをめざす人が試験で失敗すれば、落ち込
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