(2010年9月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 「中国の場合、経済発展にはバランスと調整、持続性が欠けている」――。 当の中国に設けられた会場で、それも強い影響力を誇る外国人を前にして、世界で最も活力に満ちた中国経済をこのように悲観的に評する勇気の持ち主は一体誰か? 答えは、先週、天津で開催された「夏季ダボス・フォーラム」に出席した温家宝首相である。 慎重な姿勢を崩さない中国首脳 中国は不死身だとほぼ誰もが思っているこの時期に、何かが不調を来す可能性はないのかと考える姿勢は正しい。インテルのアンディ・グローブ氏がかつて語っていたように、「パラノイド(病的な心配性)だけが生き残る」。温氏は賢明にも、パラノイドさながらに慎重になっている。 だが、その温首相も述べているように、「この2年間、中国は最も早く景気回復を成し遂げた国の1つとなっている。また、極めて難しく複雑な環境にありながら