731部隊にいた10代の少年兵たち 「任務が終わった夜に同期の友人と会うと、お互いの業務内容を話していました。『今日は人体解剖をした』『軍用犬に細菌兵器を運ばせる訓練をしている』なんて人もいましたね。まだ10代でしたけど、当然施設内で生物兵器を作っていることも知ってましたよ」 たった14歳で731部隊に入隊した元少年兵の須永鬼久太氏(92)はこう語る。 関東軍防疫給水部本部、通称「731部隊」。満州のハルビン市近郊に拠点を構え、表向きには兵士の感染症予防や安全な給水システムに関する研究を行っていた。しかし秘密裏に非人道的な人体実験を繰り返し、実戦での使用を目指して生物兵器を開発していたとされる。 14歳から17歳という多感な青春時代を、須永は「日本陸軍史上もっとも残虐」とされる部隊で過ごした。戦後75年が経ち、731部隊の実情を証言できる元隊員は少ない。満州の地で、彼はいったい何を見たのだ