太平洋戦争中に活動した旧関東軍防疫給水部(731部隊)の元隊員の証言を集めた展示が見送られている長野県飯田市の平和祈念館を巡り、展示を求める市民団体は12日、同市内で学習会を開いた。元隊員から医療器具などを受け取った久保田昇さん(93)が講演し、証言を展示する必要性を訴えた。 731部隊は戦時中、満州(現中国東北部)で細菌兵器の開発を進めたとされる。県内出身の元隊員が「人体実験を行っていた」などと証言。有志の市民らは昨年の開館に合わせ、証言を集めたパネル展示を市教育委員会に求めていた。 久保田さんは学習会で「被害だけでなく、加害についても考えなくてはならない」と強調した。