人気漫画家による小学館ビルの落書きは8月24、25日の2日間で8000人ものギャラリーが集まった。それは改めて、漫画の原点、漫画の魅力を再確認させることともなった。 3兆円市場ともいわれる日本の漫画業界だが、ネットやゲームといった娯楽の種類も増えて、漫画は全盛期を過ぎ、力をなくしてしまったという声もささやかれる。 藤子不二雄Aさんは、いまこそ漫画の原点である“落書き”の精神が大切だと話す。 「ぼくはいまだに漫画を描くことを職業だと思いたくないんですね。非常に贅沢な言い方だとは思いますが、漫画を描くことは、いわゆる漫画少年が、あの日、ノートに向き合った日の延長で。もちろん職業ですけど、そう思ってしまったら描けなくなる」 かつて手塚さんが住み、その後、藤子不二雄Aさんたちが暮らしたトキワ荘は、今から約30年前に解体された。その際、アパートにあったふすまに、藤子不二雄Aさんたちは、惜別の落書きを