佐賀県唐津市役所の現地建て替え計画が設計業者の選定を巡り足踏みしている。競争を担保するため2者以上の参加を成立要件としたプロポーザル(提案)方式の選定で、一つの共同企業体しか手が挙がらず、2度中止になり、工程が大幅に遅れている。他の業者が参加見送りの理由に挙げるのが、設計の前段となる基本計画策定業務の入札で1年前、予定価格の1%で落とした大手設計業者の存在。今回の選定を見越したなりふり構わぬ手法に、同業者は競争意欲を減退させられた格好だ。 設計業務の選定はプロポーザル方式で、直近で実施された市庁舎建設の事例をピックアップすると、他市では5、6者が参加を表明している。6月の定例市議会で「なぜ1者しか応募がないのか」とただす市議に、執行部は「プロポーザルでは参加するにもコストがかかる。不採用では無駄になるのが一因」と説明した。市議は他市の例を挙げ「本当にそれが理由なのか」と納得しなかった。 設