クラフトワークはいかに後世の音楽に影響を与えたか?(第二回) 前回は、クラフトワークが後世の音楽に与えた影響について、大きく分けて以下の3つのように説明してきました。 1:これまでの音楽史における、固有の楽器のイメージから離れた音色をシンセサイザによってクリエイトし、周波数で重心を思考してアンサンブルを構築した。 2:特に打楽器のパートをシンセサイズしたことによって、音楽における低音域の表現領域を拡大した。 3:結果的に、重低音を重んじるダンス・ミュージックとの親和性を獲得した。 今回はさらに別な角度からの影響関係を掘り下げていこうと思いますが、前回、クラフトワークの影響を語る際に、ブラック・ミュージックという言葉を多用しました。実のところ、私はこの言葉が好きではありません。21世紀の現在、音楽を人種で語ることはナンセンスですし、弊害も多いです。しかしながら本論稿では、歴史の解析という目的