もはや当たり前のように低空飛行を続ける経済、新型コロナウイルス禍、拭えない格差や不平等ーー。私たちはかつてなく満たされない時代を生きているのかもしれない。失われつつある物心の豊かさを取り戻すことはできるのか。データをもとに日本の豊かさの現在地を探ってみよう。日本経済新聞は新連載「成長の未来図」をスタートした。 成長の未来図 特集ページはこちら 「高度成長期」「栄光の30年」などと評された第2次世界大戦後の成長のピークからおよそ半世紀が過ぎ、先進国の経済は慢性的な低成長に陥っている。少子高齢化へ向かう人口動態が成長の余力を削ぎ、富は社会の隅々に届きにくくなった。 米グーグルの書籍データは時代ごとの人々の関心事を映す。世界の英語文献に「economic growth(経済成長)」という単語が登場する頻度は戦後の成長期に急伸したが2000年以降は低迷。逆に「happiness(幸福)」が足元で1