密着取材2日目の7月27日朝、埼玉医科大学病院総合医療センターのコロナ病棟ナースステーション。 医師らは別室の医局でカンファレンス(会合)中で、静かな時間が流れている。 午前9時45分。この日で最初の新型コロナ患者受け入れの要請が総合医療センターに届いた。 容態は「中等症2」。基本的には酸素吸入を必要とし、予断を許さない。 埼玉県庁の調整本部からは、入院調整中の患者が多く待機しているという情報も入る。医師らは、この患者の受け入れを決めた。 午前10時すぎ、ナースステーションがにわかに慌ただしくなる。 「今日、明日で同じくらい患者が入ってくると、もう受けられない」 医師の1人がつぶやいた。 午前10時10分、総合診療内科・感染症科教授の岡秀昭さんの電話が再び鳴った。 「もう1件ですか?」 再び患者受け入れを要請する電話だった。 別の病院ですでに治療を受けていたが、状態が悪化。高濃度酸素が充満