人間というのは不思議なというか粗忽(そこつ)というか、いろいろ気を配り苦労しているつもりでも案外しごく大切なことに気がつかない。日本の経済はますます傾いてきて、この先どうなるのか誰しも心を痛め頭も絞っているのだろうが、ことが経済の根幹国家財政ということになるとよほどのことを構えないとこの国の懐具合はとても良くなりそうにない。 政権が代わり、民主党は自民党政権下の行政の無駄を洗い直し、官僚が隠してきた埋蔵金なるものを摘発すれば財政再建の活路は開くなどとはいうが、従来の官僚政治の元で彼等が属する役所の都合のために隠匿してきたかなりの金はないではないが、昨日今日出て来たばかりの未熟な政治家や民間の識者?を駆り出してみたところで、そう簡単に埒(らち)のいくものではありはしない。 一種公開裁判もどきの見せ物として事業仕分けなる作業がおこなわれ、皮肉たっぷり嫌みたっぷりの詰問に、眺める国民はいささか溜