平成24年7月、京都市の小学校で起きたプール事故で亡くなった浅田羽菜ちゃん(遺族提供)。子供を待ち望んだ夫婦に喜びをもたらした一人娘だった。しかし、両親が羽菜ちゃんと過ごせたのはわずか6年5カ月だった 「3教諭のプール監視状況は油断に満ちたものだった」「学校管理者側の教員に対する指導にも問題があった」 平成24年7月、京都市立養徳小学校のプールで同小1年の浅田羽菜ちゃん=当時(6)=が亡くなった事故をめぐる訴訟で、京都地裁は学校側の責任を明確に認め、京都市などに約2700万円の支払いを命じた。羽菜ちゃんは両親にとって、つらい不妊治療も効果がなく、妊娠をあきらめたときに授かった「奇跡の娘」だった。判決が出ても、事故原因がわかっても、愛娘が帰ってくるわけではない。それでも両親はうやむやにしておけなかった。こんなことがあるわけない 「奇跡だと思った。夫と2人で本当に溺愛していた。羽菜の死を聞いて