独裁に倒れ、36年ぶり安眠=チリ人歌手ビクトル・ハラ 独裁に倒れ、36年ぶり安眠=チリ人歌手ビクトル・ハラ 【サンパウロ時事】南米チリで1973年に起きたピノチェト陸軍司令官による軍事クーデターの直後、崩壊したアジェンデ社会主義政権を支持していたため虐殺された同国の著名歌手ビクトル・ハラ(1932〜73年)の遺体が5日、首都サンティアゴ市内の墓地に埋葬された。葬列のひつぎを数千人の市民が囲み、最後の別れを惜しんだ。 ハラは音楽による社会改革運動「新しい歌」の代表的歌手として人気を博していたが、実権を掌握した軍部隊が多くの左派政権支持者と共に競技場に連行し、強制収容された。だが、軍に反抗して左派礼賛の曲を大声で歌ったため、拷問を受けて銃殺された。銃傷は30カ所以上とされ、チリ軍政期の圧政を後世に伝える最も有名な犠牲者の一人となっている。 ハラの遺体は当時夫人が埋葬したが、殺害時の真相究明