現在、世界各地でワクチン接種を証明する衛生パスポートの導入が「感染症対策」という大義のもと進められている。我々はいかにしてこの古くて新しい「社会的排除」に抗うことができるのか。日本国内での導入を前に可能な選択肢を探る。 僕たちはみな同じ船に乗っている? 辻陽介(以下、辻) まず最初に僕の方からお二人の対談を企画させて頂いた動機についてお話しさせていただきます。 ご存知のように、現在フランスを筆頭に、世界の様々な国、地域でワクチン接種を証明する衛生パスポートの導入、つまり、公共交通機関や飲食店、ショッピングモールなどにおける接種証明書の提示の義務化が、政府や自治体によって進められているという状況があります。 現状(2021年9月3日時点)で日本においては具体的な法制化の流れは生じていませんが、菅総理や分科会の尾身茂会長が接種証明書の活用を示唆するような発言をしていたことなどもあり、今後どうな