日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁の再任が決まり、副総裁に若田部昌澄早稲田大学教授と雨宮正佳前理事が就任して、第2期体制が動きだしました。黒田氏は国会での承認にあたっても、安倍晋三政権と一体になり、異常な金融緩和を続けると表明しました。「異次元」の金融緩和で消費者物価の2%上昇を実現するという目標は5年たっても実現せず、不況打開のため「インフレ」にするという政策自体の誤りが明らかになっています。「カネ余り」が引き起こすバブルや預金の目減り、国債発行の歯止めがなくなったことも重大です。破綻した政策を続けるのは有害です。 安倍政権と一体で 黒田氏は5年前の2013年3月、白川方明(まさあき)前総裁の辞任を受けて選ばれました。前年末に政権に復帰した安倍氏が総選挙中から日銀の金融政策を非難し、不況打開のため、消費者物価を引き上げる「インフレターゲット(インフレ目標)」を採用すべきだと主張したのを受