一昨日の晩なんとなくラジオを聞いていたら、少し気になる感じの女性の声で朗読があった。何だろうかと思ったがすぐにわかった。熊の「まさきち」といえば、村上春樹の短編「蜂蜜パイ」である。2000年に出版された「神の子どもたちはみな踊る」(参照)に収録されてる。声は松たか子であった。しばらく聞いて、そして結局その回を全部聞いた。翌日に続きがあったが聞き逃した。が今朝の最終回は聞いた。7日の午後にその二回分の再放送があるらしい。 一昨日の晩、途中だった朗読の先が気になって書棚から「神の子どもたちはみな踊る」を取り出し「蜂蜜パイ」を通して読んだ。 村上春樹の短編集の中ではこれがもっとも優れているだろうと私は評価しながらも、最後に置かれているこの書き下ろしの「蜂蜜パイ」は失敗作ではないかとも考えていた(他短編は「新潮」連載)。だが、松たか子の朗読を聞きながら、そうは簡単に割り切れない部分と、今になって思