ババキンの傑作(2) サンプルリターン機に引き続き、ルノホートについて見てみよう。 ルノホート「Ye-8」 ルノホート“луноход”とは、直訳すると「月面車」となる(「луно」=「月の」、「ход」=「車」)。下の2台がそうだが、洋式便器にも似たその独特のフォルムは非常に印象的である。子供向けの図鑑にも描いてあることがあり、どこかで見た記憶がある人も多いのではないだろうか。 左はルノホート1号であり、右はルノホート2号である。よく見ると相違点もいくつかあり、とても興味深い。2号に見える“便器のフタ”の裏側は太陽電池になっており、これは1号も同様である(写真は閉じた状態)。 これが形になるまでには、これまた興味深い流れがあった。その辺の話も辿りながら、この車の特徴と活躍をまとめてみることにする。 ◇ ルノホートが本来、有人月探査において用いられる重要なサブシステムであったことは以前にも