10万人以上が犠牲になった「関東大震災」から、ことしで90年になります。 当時、震災を経験した200人以上の証言を録音した、膨大なカセットテープが、分析されないまま残されていることが分かり、NHKは、今後の防災対策に役立てるため、専門家と共同で、地震直後の火災の実態や、災害に巻き込まれた人々の心理状態などを分析することにしています。 災害時の情報を研究していた、東京大学大学院教授の廣井脩さん(故人)は、大正12年の「関東大震災」の教訓を風化させず、今後の防災に役立てようと、およそ20年前、震災を経験した人を探して、みずからテープレコーダーで証言を録音していました。 しかし、7年前に病気で亡くなり、およそ170本のテープの多くは分析されないまま残されました。 NHKが専門家と共同でテープの分析を始めたところ、関東大震災で犠牲になった人の数が最も多い、現在の東京・墨田区にあった「被服廠(ひふく