なぜ日本では再生可能エネルギーの活用が進まないのか。東京大学の丸川知雄教授は「再生可能エネルギーの活用には、出力の不安定性と高い蓄電コストというネックがあるが、日本にはこの2つの課題を解決する揚水発電所が原発27基分もある。揚水発電のインセンティブを設計しなおすべきだ」という――。 中国にも後れを取っている日本の再エネ 日本政府は、わが国の二酸化炭素の排出量を2030年には2013年の半分近くに削減し、2050年には実質ゼロにすることを国際的に約束した。だが、その約束の実現に向けての足どりはきわめて心もとない。経済を落ち込ませないという前提の下で排出削減を実現するには、二酸化炭素を排出しない太陽光、風力といった再生可能エネルギーや原子力発電への切り替えを進めるしかない。 しかし、原発に関しては福島第一原発の事故によってその安全性に大きな不安が生じたため、今後の新設は難しく、既存の原発の再稼
![今のままでは宝の持ち腐れ…「電力会社が原発27基分の発電能力を死蔵している」という不都合な真実 再エネの欠点を補完する"揚水蓄電"という切り札](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d940e0f76fcda648c8427709a3e28a7154bef461/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpresident.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F9%2F4%2F1200wm%2Fimg_94e73359821e5dc4f28b951d557e46b71009791.jpg)