上皿てんびんに電流計、顕微鏡……。理科の授業で使う実験器具や教材の費用として、文部科学省は、200億円の予算を政府の新経済対策に盛り込む。昨年度までの数年は年13億円前後で推移。厳しい財政事情で購入費がゼロの学校もあるため、例年の15倍の「特盛り」予算で、「理科離れ」「理科嫌い」を防ぐことにした。 実験用のてこや丸底フラスコ、メスシリンダー、図鑑……と、理科の授業で使われるものの購入費を広く補助する。公立と私立のすべての小中高校、特別支援学校が対象だ。理科教材は、購入費の半分を国が補助し、公立なら自治体が、私立なら学校が残りを負担する仕組み。今回は自治体の負担分も特別交付金で多くを手当てする方向だ。 「ゆとり路線」から学力向上にかじをきった新しい学習指導要領は、理科と算数・数学について今春から前倒し実施され、授業時間が増えた。 しかし、科学技術振興機構と国立教育政策研究所の昨年の抽出