1969年8月15日、暮しの手帖社から『戦争中の暮しの記録<保存版>』が出版された。これは、前年1968年に発行された「暮しの手帖」96号の特集―戦争中の暮しの記録―を1冊にまとめたもの。 その特集は、戦争を体験した人たちから寄せられた文章で出来ていた。それは、「四十才をすぎ、五十をすぎ、あるいは、六十も、それ以上もすぎた人が、生まれてはじめて、ペンをとった文章」だった。 「この特集号(96号)は、普段の号よりずっと早く売り切れた。ところが、雑誌は、造本の点ではどうしても弱い。この一冊だけは、これからあとに生まれてくる人のために残しておきたい」との編集部の願いのもと、保存版は出版に至った。 「暮しの手帖」96号、および保存版の裏にあるストーリーについて、編集部員であった河津一哉さん、現代表取締役社長・阪東宗文さん、現・編集部、村上薫さんに話を伺った。
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