浪人生活を経てもなお、自分が希望する大学に入れなかった19歳の田口は、まるで人生が終わったかのような絶望感を抱いていた。 「地元では“受験に失敗した愛ちゃん”って感じで見られて、コンプレックスを感じていた」と語る彼女にとってそれは、しばらく消化できない“黒歴史”だったという。 しかし、この挫折こそがガーナへ足を運ぶきっかけになった。受験を終えて燃え尽きていた彼女が新たな道を見つけたのは、大学の入学式で、自分が好きなこと、将来やりたいことを生き生きと話す同級生の姿だ。 “これまで私は、周囲が求めるレールの上を必死で走ってきた。自分が心から興味があることに全力で向き合ってみよう—— ” すると、幼い頃からチョコレートに心を奪われていたことを思い出した。いろんな要素が重なり合った結果、“チョコレートのその先”を自分の目で見たくなり、大学1年時の夏にガーナへ飛び込んだのだ。 ガーナの人たちは、幸せ
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