講演 「西部劇=残存するノワール 西部劇を殺したのは誰か――第8回 アナクロニズムの会」 2010年6月11日 吉田広明(映画批評家) フィルム・ノワールが西部劇に何らかの影響を与えたのではないか、というテーマでお話させていただきます。発想の源は、フランスの映画批評家アンドレ・バザンによる「西部劇の進化」という「カイエ・デュ・シネマ」の55年12月号に発表された論文です。バザンはその論文で、「第二次大戦以前に西部劇はある程度ジャンルとして確立した」と述べています。西部の神話、西部の歴史、アメリカの歴史と人物の心理描写の均衡がうまく確立したことで、西部劇は40年前後に完成した。その具体的な例として、ジョン・フォードの『駅馬車』(39)、キング・ヴィダーの『北西への道』(40)、ウィリアム・ワイラーの『西部の男』(40)などを挙げています。それらの作品に対して、新しい傾向の西部劇が現れているの
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