「在日」として生きているわたしをすくってくれて、わたしに「在日」として生きていく勇気をあたえてくれた、ふたつの言葉があります。 ひとつは、オモニがおっしゃられた「日本語おぼえても、朝鮮人」という言葉です。 わたしは、オモニハッキョでオモニたちと一緒に、日本語の読み書きを学ぶのが、本当に、ずっと、つらかったのです。朝鮮語がわからないわたしが、オモニたちに日本語を「教える」。オモニたちから言葉をうばった国の言葉を、同じうばわれた歴史をもつ、同じ朝鮮人のわたしが「教える」。いくら、オモニたちの生活のためと、自分を納得させようとしても、いつも、こころは納得してくれませんでした。頭では理解していても、どうしても、こころが日本語に向き合ってくれないのです。だから、わたしは、オモニから、「日本語おぼえても、朝鮮人」という言葉を教えていただくまでは、オモニたちと一緒に日本語の読み書きを学びながらも、どこ