私たちが日頃、テレビでよく目にする“字幕スーパー”といわれる文字テロップは、現在、パソコンなどの電子機器で文字を入力して表示している。 だがかつて、テレビの文字テロップはすべて“手書き”だった時代があった。 テレビと舞台の手書き文字に携わって60年以上、1日も手を休ませずに仕事に打ち込んできた「手描き職人」、竹内志朗さん(77)が、2010年11月に1冊の本を出版した。タイトルはズバリ『テレビと芝居の「手書き文字」』。 「新婚さんいらっしゃい!」「探偵ナイトスクープ」「剣客商売」など、大阪でテレビ放映が始まった1956年(昭和31年)からずっと番組タイトルや文字テロップを手で書き続けてきた竹内さんの“裏方”としての仕事ぶりが詰まった本となっている。