誰になんと言われようと、好きなものは好き。作品、俳優、監督、スタッフ……。ファン、オタクを自認する執筆陣が、映画にまつわる「わたしの推し」と「ワタシのこと」を、熱量高くつづります。 ああ、もうだめだ。こんな映画を見てしまったら、歌わずにいられない。そう、7080(チルゴンパルゴン)。韓国で500万人を動員した海洋クライムアクション「密輸 1970」がとびっきりゴキゲンなのは、ふんだんに盛り込まれた歌だ。歌。それも大衆歌謡だ。この夏もまたソウルへ旅立つけれど、わがいとしの歌たちにスクリーンで再会させてくれたお礼?に思いのたけを吐き出しておこうか。 一獲千金のドタバタ 歌に乗せ7080は1970~80年代のはやり歌のこと。とりわけ私が偏愛するのは学生のころ旅したソウルのちまたに流れていた70年代の歌だ。国産車ポニーのタクシーで、連れ込み宿ふうの怪しいホテルで、夜な夜な真露をあおった路地裏のポジ