自民党から旧民主党への政権交代が確定した2009年衆院選からきょうで10年になる。有権者の投票がストレートに政権交代をもたらしたのは戦後初めてだった。 それほど歴史的な出来事だったのに、積極的に振り返る機運に乏しいのは「失敗に終わった政権」のイメージが定着しているからだろう。 確かに旧民主党は政策も統治能力も未成熟のまま政権に就いて自壊した。最大の過ちは官僚を排除しての極端な政治主導を試みたことだ。 ただし、政権交代に意義がなかったわけではない。政権を奪還した安倍晋三首相は思想的には右派の立場をとりながら、幼児教育の無償化や最低賃金の引き上げなど、政策のウイングを左に広げている。 再び政権を奪われないよう旧民主党の政策を取り込む思惑もあるだろう。あの政権交代がなければ、硬直化した自民党の政策を見直すのは難しかったのではないか。 英米の政党政治も混迷 ところが「安倍1強」の長期政権下、旧民主
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