「私はただビクビクしているだけなんです」。ロシアによる侵攻をうけてウクライナから多くの人が国外へ脱出する中、首都キエフに残る一人の日本人がいる。滞在歴30年以上というキエフ国立大言語学院の上席講師、江川裕之さん(59)だ。なぜ逃げないのか。16日にオンラインで2時間にわたり話を聞くと、逃げたいけれど逃げられない、心の葛藤を語ってくれた。 妻子はウクライナ人 江川さんは神戸市出身で、ソ連崩壊直前の1991年9月からキエフで暮らす。キエフ教育外国語大(現・キエフ国立言語大)を卒業。通訳の仕事などをしながら、2006年にキエフ国立大で講師に就き、日本語を教えてきた。職場ではウクライナ語と日本語を話す。妻(51)はウクライナ人で、長女(20)と長男(17)もキエフの生まれ育ちだ。「妻子は言語もメンタリティーも完全にウクライナ人です」 「子どもが小さい頃は、日本語を教えようとし、日本に連れて帰っても
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