暮らしと比べて圧倒的にソーシャル密度の高い現状のインターネットは、かつてあった「無人の野に無数の人々の痕跡をみつけてゆく」ようなインターネットの姿とはまったく違う。ソーシャルはいまやほとんど物理的な圧力まで伴ってプライベートの箍を押しつぶす。匿名&半匿名ユーザにおいてインターネットに対する巨大なプライバシー領域といえば暮らしのことだが、「ネット=仮想:暮らし=現実」みたいな牧歌的な話で誤魔化せた時代でもない。現実のウサを別の現実に持ち込んでもつまらない。もっと強力で無関係なプライベートが必要だ。キリシタンじゃないので懺悔とかは要らないが、己と向き合ったり向き合わなかったり、なにかと向き合ってるうちに自分や他人が消えたり現れたりするような、押入れとか秘密基地とか地下研究室とか、なんかそういったものがあったほうがいい、べつにそれは現実上になくても構わない。というような筋合いで。 インターネット