手元の早川文庫の『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』(参照)の奥付を見ると昭和62年8月21日発行とある。西暦だと1987年。たぶん、私はこれが出た時点で読んで感動していた。私が30歳になった晩夏である。文庫は同題の映画を当て込んだもので、映画はその年の年末に日本で公開された。オリジナルのフランスではその前年の公開だった。というわけで、私はこの映画を見るつもりだった。 運命というのは不思議なもので、なぜかこの映画を見ることができない。もちろん、そんなはずはないだろう、とも言える。ただ、振り返ると奇妙な成り行きだった。30代の前半は自著にも書いたがそれなりに些細な激動というか青春の終わりを引きずっていたりした。それはよい。 1992年に「インテグラル」が公開されて驚いた。映画なのでそういうことはあるだろうと思うが、どうも1時間近く追加されたらしい。それってとんでもない話なのではないか? 別の作