第1部 利権と圧力 ◇新国立8万人のウソから始まった ◇五輪と神宮外苑再開発の複合利権 後藤逸郎/池田正史/大堀達也/荒木宏香(編集部) 第1部 利権と圧力 JSCは1955年設立の日本学校給食会を前身に、58年設立の国立競技場など文部省(当時)傘下の組織が行政改革で統合を繰り返し、2003年に現在の組織に。スポーツの振興と児童生徒の健康の保持増進を図るため、国立競技場や代々木第一、第二体育館をはじめとするスポーツ施設の運営などを行う。スポーツ振興くじ(toto)などの収益金を協議団体などに助成する独立行政法人。常勤職員は397人。新国立競技場の観客席数8万は、神宮外苑再開発のためにでっち上げられたウソだった。五輪は再開発利権のダシに使われた。 東京都の明治神宮外苑で8月初め、しぐれるようなセミの声をかき消し、築50年余りの都営霞ケ丘アパートの取り壊し作業が行われていた。都が示した1月30