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Bookと文学に関するgogatsu26のブックマーク (43)

  • 0380夜 『吸血鬼ドラキュラ』 ブラム・ストーカー − 松岡正剛の千夜千冊

    先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、

    gogatsu26
    gogatsu26 2023/12/29
    "本書を読んだことがない人にとっては意外かもしれないが、この作品は日記と手紙と新聞の切り抜きだけでできている" 2001年9月17日
  • 奇書『家畜人ヤプー』を読む

    既知の作品、過去のアーカイブを読み漁ることに意味はあるだろうか。 「ある」という人もいれば、「ない」という人もいるだろう。今回紹介する『家畜人ヤプー』という奇妙なSF小説などは、「ない」と答える人の多い作品ではないだろうか。 『家畜人ヤプー』は昭和時代に作られたSF小説で、日人が人間椅子や人間便器に改造され、白人らしき宇宙人に使役されている作品だ、三島由紀夫など同時代の文学者や知識人の間でよく知られていた……ぐらいはいまどきのネットユーザーなら即座に調べられるのではないかと思う。 だからといって、その『家畜人ヤプー』を実際に読んでみよう・読まなければならないと思い立って読む人は少ないのではないだろうか。 かく言う私も、同作品の名前はずっと前から知っていたけど、到底読む気にはなれなかった。 けれどもある人に「これは熊代さんが今読んでおくにふさわしいなので是非とも読んでください」と推薦され

    奇書『家畜人ヤプー』を読む
  • 南方熊楠 十二支考 兎に関する民俗と伝説

    第1図 野兎 第2図 熟兎 第3図 岩兎 この一篇を綴(つづ)るに先だち断わり置くは単に兎と書いたのと熟兎(なんきん)と書いた物との区別である。すなわちここに兎と書くのは英語でヘヤー、独名ハーセ、ラテン名レプス、スペイン名リエプレ、仏名リエヴル等が出た、アラブ名アルネプ、トルコ名タウシャン、梵名舎々迦(ささか)、独人モレンドルフ説に北京(ペキン)辺で山兎、野兎また野児と呼ぶとあった。吾輩幼時和歌山で小児を睡(ねむ)らせる唄(うた)にかちかち山の兎は笹(ささ)の葉をう故耳が長いというたが、まんざら舎々迦(ささか)てふ梵語に拠(よ)って作ったのであるまい。兎を野児とはこれを啖肉獣たる野の児分(こぶん)と見立てたのか。ただしノルウェーの兎は雪を潜(くぐ)って鼠(はつかねずみ)を追いう(一八七六年版サウシ『随得手録(コンモンプレース・ブック)』三)と同例で北京辺の兎も鼠を捉るのか知れぬ。

  • エセ科学と変態性欲が、日本のミステリーを育てあげた!? 圧巻のアクロバティカル文学史『怪異猟奇ミステリー全史』、ついに刊行!

    18世紀英国ゴシック小説に端を発し、はるか東方の島国へと流れ着いて結実した日のミステリー文化――博覧強記の文芸評論家・翻訳家である著者による、異形の文化文学史にして最良のブックガイド『怪異猟奇ミステリー全史』(新潮選書)が1月26日、新潮社より刊行となります。 「アッシャー家の崩壊」挿画 18世紀にアンチ・フランス=反古典主義から興ったゴシック文化伝播史であり、広い視野からの西洋文化史・文学史であり、戦前戦後の日文化史・文学史であり、ミステリー発展史でもある、文学史探偵による詳密な調査ファイルです。 心霊主義者たちによる交霊会 ■著者コメント 副題に「猟奇耽異グラン・ギニョル探偵小説への誘い」と付けようと思ったが、煽りすぎ、誇大広告になりかねないのでやめました。でも、そんな雰囲気の内容です。 グラン・ギニョルのポスター ■あらすじ 探偵小説格・変格推理小説、ひいては新格ミステリー

    エセ科学と変態性欲が、日本のミステリーを育てあげた!? 圧巻のアクロバティカル文学史『怪異猟奇ミステリー全史』、ついに刊行!
  • ギヨーム・アポリネール - Wikipedia

    ギヨーム・アポリネール(Guillaume Apollinaire、1880年8月26日 - 1918年11月9日)は、フランスの詩人、小説家、美術・文芸評論家。代表作に「ミラボー橋」を含む自由律の詩集『アルコール英語版)』、ピカソ、ブラック、ローランサンらの「新しい画家たち」を絶賛した評論『キュビスムの画家たち(英語版)』、シュルレアリスムの演劇『ティレジアスの乳房』(フランシス・プーランクのオペラの原作)と小説『虐殺された詩人』、ジャンフランコ・ミンゴッツィ(フランス語版)監督によって映画化された性愛小説『若きドン・ジュアンの冒険』などがある。処女詩集『動物詩集』の副題にある「オルフェ」からオルフィスムの概念が生まれたほか、シュルレアリスム、カリグラムもアポリネールの造語である。 ギヨーム・アポリネールは1880年8月26日、グリエルモ・アルベルト・ヴラディミロ・アレッサンドロ・アポ

    ギヨーム・アポリネール - Wikipedia
  • (書評)『暴君 シェイクスピアの政治学』 スティーブン・グリーンブラット〈著〉:朝日新聞デジタル

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    (書評)『暴君 シェイクスピアの政治学』 スティーブン・グリーンブラット〈著〉:朝日新聞デジタル
  • 0509夜 『異邦人』 アルベール・カミュ − 松岡正剛の千夜千冊

    先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、

    0509夜 『異邦人』 アルベール・カミュ − 松岡正剛の千夜千冊
  • 「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本|柏書房株式会社

    紀伊國屋じんぶん大賞2020 第9位にランクインしました!(ソース) 公式note「かしわもち」で「山下泰平が選ぶ「明治」20冊」を公開しています。 【内容】 文学史&エンタメ史の未確認混沌時代(ミッシング・ピース)! 「東海道中膝栗毛」の弥次喜多が宇宙を旅行する、「舞姫」の主人公がボコボコにされる、身長・肩幅・奥行きが同じ「豆腐豪傑」が秀吉を怒らせる――明治・大正時代、夏目漱石や森?外を人気で圧倒し、大衆に熱烈に支持された小説世界が存在した。 書では、現代では忘れられた〈明治娯楽物語〉の規格外の魅力と、現代エンタメに与えた影響、そして、ウソを嫌い、リアルを愛する明治人が、一度は捨てたフィクションをフィクションとして楽しむ術(すべ)をどのようにして取り戻したのか、その一部始終を明らかにする。 朝日新聞とスタジオジブリも注目する、インターネット出身の在野研究者が贈る、ネオ・文学案内。 ※

    「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本|柏書房株式会社
    gogatsu26
    gogatsu26 2019/04/11
    “※本書に登場する作品のほとんどが国立国会図書館デジタルライブラリー( http://dl.ndl.go.jp/ )でお読みいただけます”
  • タグ : 私たちの気付かない漫画のこと 一覧ページ|Zing!

    情報コンテンツサービス終了のお知らせ 2020年9月30日(水)をもちまして、以下コンテンツを終了いたしました。 【終了するコンテンツ】 Zing! 長らくご愛顧いただきました皆さまに感謝を申し上げますとともに、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。 トップページ - サイトマップ - お問い合わせ

  • 1666夜 『倚りかからず』 茨木のり子 − 松岡正剛の千夜千冊

    先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、

    1666夜 『倚りかからず』 茨木のり子 − 松岡正剛の千夜千冊
  • 『D.H.ロレンス幻視譚集』 : 零画報

  • 【無料】名作文学読み放題! 江戸川 乱歩「悪魔の紋章」など注目の新着本が12作品 ~17/03/29 - 17/04/05【Book Watch/青空文庫の新着情報】

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  • 0991夜 『おくのほそ道』 松尾芭蕉 − 松岡正剛の千夜千冊

    先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、

    0991夜 『おくのほそ道』 松尾芭蕉 − 松岡正剛の千夜千冊
  • 1632夜 『それでも、読書をやめない理由』 デヴィッド・L・ユーリン − 松岡正剛の千夜千冊

    それでも、 読書をやめない理由 デヴィッド・L・ユーリン 柏書房 2012 David L. Ulin The Lost Art of Reading: Why Books Matter in a Distracted Time 2010 [訳]井上里[訳] 編集:八木志朗 装幀:ヤマシタツトム ある日、フィッツジェラルドやカート・ヴォネガットを読み始めたら、どうも以前の読書感覚とは違っている。そこそこ歳もとったのだから再読感が変わっているのは当然だけれど、その違いではない。何がおこっているのか。 そのうち15歳の息子のノアと『グレート・ギャツビー』の話になったら、息子も学校の授業で読んでいたらしく応じてきたが、ふいに「でも、文学なんて死んでるんじゃないの」と言った。たしかに文学は死んでいるかもしれない。小説や物語は生きているだろうけれど、文学は死んだというのは当たっている。そうか、自分は

    1632夜 『それでも、読書をやめない理由』 デヴィッド・L・ユーリン − 松岡正剛の千夜千冊
  • 1614夜 『苔とあるく』 田中美穂 − 松岡正剛の千夜千冊

    苔とあるく 田中美穂 WAVE出版 2007 編集:飛田淳子 写真/伊沢正名 協力/西村直樹 装幀:松田行正・日向麻利子・相馬敬徳 装画/浅生ハルミン 「私は屋根裏の借部屋で啞であっても、また一の苔であっても差支えないような日々を送っている」。「私は枯れかかった貧乏な苔です」。 こんなことを書ける少女は、かつて一人しかいなかった。小野町子こと尾崎翠だ。小野町子を主人公に仕立てた『第七官界彷徨』(岩波文庫)では、町子の兄に「みろ、人類が昼寝のさめぎわなどに、ふっと蘚の心に還ることがあるだろう」といったセリフも吐かせている。この兄は「じめじめした沼地に張りついたような、身うごきならないような、妙な心理だ。あれなんか蘚の性情がこんにちまで人類に遺伝されている証左でなくて何だ!」とも言う。 尾崎翠の実際の三兄が東京帝大の農学科で肥料研究をしていたのである。翠は鳥取県の岩井(現在の岩美町)の生まれ

    1614夜 『苔とあるく』 田中美穂 − 松岡正剛の千夜千冊
  • サービス終了のお知らせ - NAVER まとめ

    サービス終了のお知らせ NAVERまとめは2020年9月30日をもちましてサービス終了いたしました。 約11年間、NAVERまとめをご利用・ご愛顧いただき誠にありがとうございました。

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  • ウンベルト・エーコ『異世界の書』がスゴい

    汝の名は冒険者か? ならば我を求めよ! 知の巨人が、また奇ッ怪なを出した。それは古今東西の「実在しない場所」を紹介したもので、ギリシャ古典から現代ベストセラーまで大量の文献を渉猟し、エーコ一流の案内と膨大な引用からなる幻想領国地誌集成だ。面白いのは、いわゆる「虚構の場所」を扱っていないところ。アトランティスやシャンバラ、ユートピアやフウイヌムなど、多くの人がどこかに実在する、もしくは実在したと気で信じ、その信念が幻想を生み出した場所が、書の俎上に上っている。 読み進むにつれ、この「伝説と虚構」の境界が揺らぎはじめて愉しい。想像力をどこまで信じられるかというテーマになるからだ。現実の世界は一つかもしれない。だが現実と並行して、先人たちの幻想が生み出す無数の可能世界を巡るうち、想像は現実の一部であることを、まざまざと思い知らされる。この幻想のもつリアリティこそが、書を貫くテーマになる。

    ウンベルト・エーコ『異世界の書』がスゴい
  • 1591夜 『エンディミオン』 ジョン・キーツ − 松岡正剛の千夜千冊

    エンディミオン ジョン・キーツ 岩波文庫 1949 John Keats Endymion-A Poetic Romance 1818 [訳]大和資雄 やっとキーツを贈りたい。 春のオードも秋のオードも、 『エンディミオン』も『ハイピリオン』も、 『イザベラ』も『レイミア』も『憂愁のオード』もいい。 だが、痛ましくも25歳で夭折した。 全貌を語るには、あまりに短い。 その墓に刻まれたのは、 「その名を水に書かれし者、ここに眠る」だった。 なんとすばらしい墓碑銘であることか! 今夜は、どんな先入観ももたずに、 ジョン・キーツを感じてほしい。 美しきものはとこしへによろこびなり そのうるはしさはいやまし そはつねに失せ果つることあらじ A thing of beauty is a joy for ever; Its loveliness increases; it will never Pas

    1591夜 『エンディミオン』 ジョン・キーツ − 松岡正剛の千夜千冊
  • 1571夜 『源氏物語』 紫式部 − 松岡正剛の千夜千冊

    エミール・シオラン(23夜・1479夜)に、「私たちはある国に住むのではない。ある国語に住むのだ」という深い一行があります。『告白と呪詛』(紀伊国屋書店)に出てきます。 シオランは観察と洞察のアフォリズムの異才で、“涙の反哲学者”ともいうべきルーマニア人ですが、ずっと母国語をさがしつづけているのです。シオランが生まれた頃のトランシルヴァニアでは、ルーマニア母語はもうぐちゃぐちゃになっていたからです。 ぼくも『源氏』を読んでいるとまさにそういう気になります。この言葉って、ぼくの中のどの反応とつながっているのだろうと、何度も思わされるのです。 国語ってふだん使っているのだから、自分は国語も母語も知っていると思ってしまうと、とんでもない偏見国語ニンゲンになってしまいます。それよりも、われわれはずっと国語からはぐれている歴史を走ってきてしまっていると思うべきでしょう。学校のセンセイが教える国語も一

    1571夜 『源氏物語』 紫式部 − 松岡正剛の千夜千冊
  • 人生が捗るトルストイ『戦争と平和』

    忘れっぽいので書いておく。わたしは死ぬし、あなたも死ぬ。なぜなら生きてるから。わたしの命は時である。時は、微分すると今になり、積分すると人生になるから。 では、この死ぬまでの時は、何のためにあるのか? それは、幸せになるため。人生は、それを使って幸せになるためにある。小説の最高傑作として掲げられるトルストイ『戦争と平和』には、この究極のライフハック「幸せになる方法」が書いてある。 いきなり答えを書く。「なぜ生きるのか」に衝き動かされ、自分探しに翻弄された主人公ピエールがたどり着いた結論だ。たえず探し求めていた「人生の目的」から解き放たれ、自分が完全に自由であることに気づく場面で、エピローグの直前にある。 ことばではなく、理屈ではなく、直接の感覚で、もうずっと前にばあやから聞かされていたことを悟ったのだ。それは、神さまはほらこれですよ、ここですよ、どこにでもいますよ、ということだった。 これ

    人生が捗るトルストイ『戦争と平和』