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ウンベルト・エーコ『異世界の書』がスゴい
汝の名は冒険者か? ならば我を求めよ! 知の巨人が、また奇ッ怪な本を出した。それは古今東西の「実在... 汝の名は冒険者か? ならば我を求めよ! 知の巨人が、また奇ッ怪な本を出した。それは古今東西の「実在しない場所」を紹介したもので、ギリシャ古典から現代ベストセラーまで大量の文献を渉猟し、エーコ一流の案内と膨大な引用からなる幻想領国地誌集成だ。面白いのは、いわゆる「虚構の場所」を扱っていないところ。アトランティスやシャンバラ、ユートピアやフウイヌムなど、多くの人がどこかに実在する、もしくは実在したと本気で信じ、その信念が幻想を生み出した場所が、本書の俎上に上っている。 読み進むにつれ、この「伝説と虚構」の境界が揺らぎはじめて愉しい。想像力をどこまで信じられるかというテーマになるからだ。現実の世界は一つかもしれない。だが現実と並行して、先人たちの幻想が生み出す無数の可能世界を巡るうち、想像は現実の一部であることを、まざまざと思い知らされる。この幻想のもつリアリティこそが、本書を貫くテーマになる。
2016/01/07 リンク