先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日本もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、
先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日本もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、
作者: 望月 昭秀,小久保拓也,山田 康弘,佐々木 由香,山科 哲,白鳥兄弟,松井 実,金子 昭彦,吉田 泰幸,菅 豊 出版社: 文学通信 発売日: 2023/4/28 今やあまりお目にかかれない書籍が出た。本書は、2021年4月に出版された竹倉史人『土偶を読む』(晶文社)への反論本である。それも、明確な事実と論拠に基づいて真っ向からメッタ斬りにする、恐ろしく肝の据わった一冊だ。 まず、当時の『土偶を読む』現象をおさらいしよう。同書は刊行直後からNHKを中心とする各メディアで注目を集め、SNSでも紹介記事や書評が大きくバズり、脚光を浴びた。人類学者が独自の見識から打ち立てた「土偶の正体は縄文人の食用植物」説をイコノロジー(図像解釈学)で次々に解き明かしていくその内容は劇的かつ鮮やかで、養老孟司氏を始めとする著名人らの好評も後押しし、半年で六刷のベストセラーとなる。 極めつきは第43回サント
既知の作品、過去のアーカイブを読み漁ることに意味はあるだろうか。 「ある」という人もいれば、「ない」という人もいるだろう。今回紹介する『家畜人ヤプー』という奇妙なSF小説などは、「ない」と答える人の多い作品ではないだろうか。 『家畜人ヤプー』は昭和時代に作られたSF小説で、日本人が人間椅子や人間便器に改造され、白人らしき宇宙人に使役されている作品だ、三島由紀夫など同時代の文学者や知識人の間でよく知られていた……ぐらいはいまどきのネットユーザーなら即座に調べられるのではないかと思う。 だからといって、その『家畜人ヤプー』を実際に読んでみよう・読まなければならないと思い立って読む人は少ないのではないだろうか。 かく言う私も、同作品の名前はずっと前から知っていたけど、到底読む気にはなれなかった。 けれどもある人に「これは熊代さんが今読んでおくにふさわしい本なので是非とも読んでください」と推薦され
先日TwitterのTLを眺めていたら、1981年に当時29歳の坂本龍一がおすすめの本140冊を選出しているチラシの画像を見つけました。どうやら紀伊國屋書店による企画だったようです。 「坂本龍一が選んだ。坂本龍一の世界が見えた。The 龍一 BOOK HUNTING」と題されたこのチラシは、残念ながら誤字脱字があったり、分野別に整理されておらず見にくかったり、40年後の今日から見ると書誌情報の追加が必要だったりと難点があるので、これらの不備を補完してみました。 案外に詩集が多いことと数学書が含まれていることが興味深いですね。 「坂本龍一が選んだ。坂本龍一の世界が見えた。The 龍一 BOOK HUNTING」 【音楽】 柴田南雄『楽のない話——柴田南雄自選著作集』、全音楽譜出版社、1976年。 柴田南雄『音楽の骸骨のはなし——日本民謡と12音音楽の理論』、音楽之友社、1978年。 高橋悠治
先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日本もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、
夢野久作氏の小説で「ドグラ・マグラ」というのが ありますが、これ日本三大奇書の一つでもあり 多分三大奇書の中でも一番有名なんじゃないですかね。 (あと二つは小栗虫太郎「黒死館殺人事件」と 中井英夫「虚無への供物」) 何でドグラ・マグラなんて言い出したかというとメールで 「少し長いですがこの小説はどう思いますか?」みたいな のを頂いて、それがドグラ・マグラだったんですね。 少しどころかかなり長いんですがまあそれは良いとして、 実は冒頭で紹介した三大奇書は全て読破したことあるん ですよ。こう見えても私、学生時代は意外と読書家 だったんですねー、Fラン舐めんなよ。 ドグラ・マグラってこれ読み進んでいくと作中のどこまで が現実でどこまでが幻想というか、内容が曖昧になって いくんですよね。 やたらとキ〇ガイという単語が出てくるし、これは キチ〇イが書いた本と言われてもそうかなって納得して しまう内容
» 【ポポーポポポポ】スーパーの「呼び込み君」が雑誌付録になったゾォォオオ! いつでもあの音が聞きたい人は本屋へGO! 特集 本屋の雑誌コーナーで「呼び込み君」が売っていた。スーパーでよく聞くBGM “ポポ〜ポポポポ” でおなじみの販促マシン「呼び込み君」が雑誌になっていたのだ。タイトルはそのまま『呼び込み君 ポポ〜ポポポポ♪ ポーチBOOK』で……呼び込み君のポーチが付録らしい。 いわゆる付録メインの書籍なので主役はポーチ。もちろん「あの音が鳴り響く機能」があるそうだ。そんなことを知ってしまったら “ポポ〜ポポポポ” がどうしても聴きたくなってしまったので……買った。 ・呼び込み君BOOK 宝島社から2023年2月2日に発売された『呼び込み君 ポポ〜ポポポポ♪ ポーチBOOK』。価格は3168円……思わずレジで「え?」と聞き返してしまった。マジで1000円くらいのつもりだったが、過去記事
コンテンツブロックが有効であることを検知しました。 このサイトを利用するには、コンテンツブロック機能(広告ブロック機能を持つ拡張機能等)を無効にしてページを再読み込みしてください。 ✕
アレゴリー ある象徴的モードの理論 アンガス・フレッチャー 白水社(高山宏セレクション:異貌の人文学) 2017 Angus Fletcher Allegory―Theory of a Symbolic Mode 1964 [訳]伊藤誓 編集:藤原義也 協力:高山宏・井出弘之 装幀:山田英春 各所に暗雲垂れこめたまま今年が閉じる。絶不調の体をみんなに扶けられハァハァのたうちまわり、予想以上に多忙だった一年をふりかえってもみたいけれど、まだやることがある。僅かな隙間を裂きイカして、今年最後の千夜千冊を突っ込みたい。いや、ハラワタからもぞもぞ何かを取り出したい。 そうは思ってはいたのだが、なかなかそのきっかけを掴めなかった。5日前は近江にいた。末木文美士さん(1802夜)に天台本覚の話をしてもらい、三井寺と石山寺の寺僧による聲明(しょうみょう)の違いを堪能し、近江ARSのメンバーと活動軌跡を交
満州天理村「生琉里」の記憶―天理教と七三一部隊 [著]エィミー・ツジモト 奈良の天理市に拠点を持つ天理教は戦前、旧満州に開拓団を送り込んだ。他の開拓団でもよく聞くように、満州人の家屋と畑をわずかな金で手放させ、そこに天理教の人々が移り住んだ。その村と日本軍の七三一部隊が隣接していたという。細菌戦研究のために人体実験を行っていた悪名高い部隊である。その研究棟建設時から天理村の男たちが労働力として借り出されていた。 本書では親子二代で、父親は建設に従事、息子は証拠隠滅のため殺害された「マルタ(人体実験用の捕虜はこう呼ばれた)」を数日にわたり焼却し、建屋を爆破したという証言が登場する。さらに、協力を強いられた天理村自体が、研究棟を超えて試験的に周辺に撒(ま)かれたペスト菌の被害を受けていたことにも本書は言及する。ペスト菌拡散に使われることになるハツカネズミの飼育は、関東軍から天理村小学校に飼育依
先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日本もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く