「ビジネスの問題に、役所が絡んで良いことはない」――。KDDIの小野寺正社長兼会長は23日、携帯電話端末に使える通信会社の制限をかける「SIMロック」の解除を総務省が決めたことに対し、苦言を呈した。 東京都内で開いた決算会見で述べた。小野寺社長はSIMロック解除について「反対はしていないが、基本的には客の選択の問題。強制的に外す国の話は聞いたことがない」とし、「どうルール化するのか知らないが、ビジネスの問題は民間に任せた方がいい」と話した。 矛先は金融庁にも向かった。ケーブルテレビ最大手ジュピターテレコム(JCOM)の株式取得を巡って、金融庁が法律に抵触する可能性があると指摘したため、KDDIは直接保有を3分の1未満に抑えた。小野寺社長は、事前に専門家に法違反はないことを確認していたと強調、「専門家の間で意見が分かれる話を、何もしてこなかった方が問題だと思う」と述べた。