「飾られた言葉を使へば民衆はいつの間にか誤った方角に導かれてしまふ」 太平洋戦争末期、新聞小説として連載される予定だった主人公のセリフは最後まで紙面に載ることはありませんでした。 小説を執筆したのは、第1回芥川賞作家の石川達三。 連載を打ち切られ、掲載されなかったゲラには、検閲との闘いの記録が残されていました。 (秋田放送局 記者 須川拓海)
Executive Summary フィッツジェラルド『華麗なるギャッビー』は、当初それほど評判はよくなかったし、フィッツジェラルドも晩年は不遇だった。だが、第二次世界大戦の米軍兵士慰問用の推薦図書に含まれたことで、その命運は変わった。つらい戦場の兵士にとって、この小説は華やかで豊かな夢のアメリカのイメージを喚起する小説として人気を博したのだった。そして、それがフィッツジェラルドの戦後の読者層を確保したことで、彼は再評価されるに到ったという。 華麗なるギャツビー (角川文庫) 作者:フィツジェラルドKADOKAWAAmazon フィッツジェラルドの『華麗なるギャッビー』は、アメリカ金ピカ時代を描いた大傑作で、村上春樹が訳しなおしたりしている。作者存命中は全然売れず、その死後にフィッツジェラルド再評価の気運が高まって大ブレイクを果たしたというのも有名なところ。 村上訳『グレートギャッビー』の
名も無き兵描く「戦史オタク」 古処誠二さん、初の短編集2009年9月30日 第2次世界大戦下の日本兵の姿を一貫して描き続けている古処(こどころ)誠二さん(39)が、初の短編集『線』(角川書店)を刊行した。食料の運搬に携わる兵隊や前線から下がる負傷兵など、名も無き兵士の姿からニューギニア島での戦いを立体的に描き出している。敗戦後四半世紀たって生まれた作家が、千点近い資料を読み込んで生まれた戦史小説だ。 古処さんは、1970年生まれ。02年にフィリピン戦を扱った『ルール』を発表して以来、敗戦直前の沖縄などを題材にし続けてきた。「警察小説を書く人になぜ警察を描くのかと聞いても無意味なように、ただ戦争を題材にした小説を書いているだけです。思想的、政治的なねらいはまったくありません。あくまで物語であり、物語の意味は読んだ人が決めればいい」 さまざまに誤解を招きやすい題材だから、これまでは取材もほとん
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