【ソウル=前田泰広】韓国の李明博(イミョンバク)大統領は25日、海軍哨戒艦沈没事件をめぐり、「足元の脅威を見過ごしていた」と述べ、「わが軍は、『主敵』(主要な敵対勢力)概念を確立できていなかった」との見解を示した。 政府関係者や財界人らを集めた「国民元老会議」での発言で、これに関連し、聯合ニュースは同日、韓国政府が北朝鮮を「主敵」と認識する概念を復活させる方針を固めたと報じた。 聯合電によると、来年刊行される国防白書は北朝鮮を「主敵」と位置づけた概念を盛り込む見通しという。 韓国政府は、1994年の南北実務会談で北朝鮮側代表が「ソウルは火の海になる」と発言したことを契機に、1995年版の国防白書から北朝鮮を「主敵」と明記。北朝鮮に融和的な盧武鉉(ノムヒョン)政権下で刊行した2004年版からは「主敵」との表記を削除していた。 李政権は09年に刊行した08年版で、北朝鮮を「直接的で深刻な脅威」