柔らかな陽光が差す酒匂川沿いの農園に、ハオルチアやアロエなど千を超える鉢が並ぶ。育てているのは、松田町松田惣領の青木典子さん(83)。誰が呼んだか、その道では知られた「多肉植物の母」。最近では海外のファンも多いという多肉植物に「わが子のように」愛情を注ぎ続けて40年余り。「栽培の楽しさを伝えたい」と後進の育成に励む今も情熱は尽きない。 多肉植物は肉厚の茎や葉が特徴で、サボテンやアロエなどが有名。葉や茎の内部に水分を蓄えることができ、乾燥した地域でも育つものが多い。 きっかけは44年前、長男の友人からもらったサボテンを育て始めたことだった。その後、園芸雑誌で見たハオルチアに魅了された。当時の第一人者のもとに何度も通い、ようやく譲り受けた一株が忘れられない。 ビニールハウスのある青木さんの農園には100種を超える多肉植物が所狭しと並ぶ。「模様が一つ一つ違うのが魅力。大きくなるにつれて変化