東京・浅草寺(台東区)の雷門から約100メートル東の隅田川にかかる「吾妻橋」(132メートル)を巡り、専門家の間で「赤色が鮮やか過ぎる」と議論が起きている。 橋は近く塗り替え時期を迎えるが、現在の色は地元自治体の色彩基準からも外れており、「違う色にすべきだ」との声もある。橋の色を考えるシンポジウムも開かれており、今後は住民も巻き込んだ景観論争に発展する可能性もある。 吾妻橋は江戸時代につくられ、関東大震災で焼け落ちた後、1931年、当時の東京市が3連のアーチが特徴の現在の橋を架けた。今の色は93年、隅田川の橋を「地域色豊かな色」にする都の「著名橋整備事業」で決定された。白鬚(しらひげ)橋は名前のヒゲの印象に近い「灰色」に、蔵前橋は地域が米蔵で栄えた歴史から稲穂をイメージした「黄金色」に決まり、吾妻橋は「雷門」の色を採って薄い青から「赤」に塗り替えられた。 専門家によると、橋の塗り替えは塗料