「僕は成功率が半分とかばかな盗塁は基本的にしない。かなり確率が高いタイミングでしか行かない」 MLB通算500盗塁を決めた4月29日(現地時間)の夜、そんな話をイチローはしたそうだ。 物理的にいって、二塁への盗塁の場合、投手が投球動作に入ってから捕手のミットに到達する時間と、捕手が二塁へ投げてボールが到達する時間を足したタイムよりも、自分のスピードが勝るなら盗塁は成功する。時間にして約3.3秒の攻防。モーションの早い投手で、捕手に届くまでの時間は1.1〜1.2秒。マイナーリーグでは1.3秒を切るように教えられる。1.4秒を超えるようなら、イチローがスタートを切り、成功する確率が高くなる。 投資の神様として知られるウォーレン・バフェットの名言の中に、「いったん交わした契約は反故にできないのだから、サインをする前に考慮すべきことはすべて考慮しておきなさい」(『史上最強の投資家バフェットの教訓―