5月まで5勝ちを挙げるなど順調なシーズンを送っていた左腕エースの小島和哉投手だが突然、勝てなくなった。6勝は未勝利。7月も勝てない。7月15日のイーグル戦(ZOZOマリンスタジアム)では4回3分の1、6失点KO。マウンドから降ろされた。試合後、監督から「愚痴を聞いてあげるから明日にでも監督室においで」と優しく声をかけられた。 「本当にどうしていいか分からない状態だった。メンタル的にも崩壊していた」と小島。「宜しくお願いします!」と頭を下げ、監督室を訪ねると、いきなり、言われた。 「この馬を知っているか?」 そう言って一頭の馬の写真を見せられた。小島は競馬には興味がないので、まったく見当もつかない。馬主をしている吉井監督の馬かと一瞬は思ったが、その写真は少しばかり古かった。無理もない。その馬は小島が生まれる前の91年にJRAの重賞 ラジオたんぱ賞を制し、93年の七夕賞、オールカマーなどを制す