新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国の緊急事態宣言が岡山など39県で解除され、日常生活が徐々に戻りつつある。解除後にそれまでの緊張感が緩むことで懸念されるのが、精神的重荷から解放された時に生じやすいうつ状態「荷おろしうつ病」の増加だ。岡山県精神保健福祉センター(岡山市北区厚生町)の野口正行所長(56)に対処法などを聞いた。 ―なぜ「荷おろしうつ病」の発症リスクが高まるのか。 「荷おろしうつ病」の症状はうつ病と同じで、抑うつ気分(つらくて沈んだ感情が続く)、睡眠障害、食欲の減退など。一般的に、全力を注いで大仕事をやり遂げた後、燃え尽きたような状態になると発症しやすい。 今回のコロナ禍で、多くの人は感染しないよう外出を自粛するなど、不安とストレスを感じながら2カ月以上生活してきた。緊急事態宣言が解除されて生活が落ち着き、緊張の糸が切れれば、「荷おろしうつ病」が発生しやすくなる。 ―緊急事態宣言