北一輝 (ちくま学芸文庫) 作者: 渡辺京二出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/02/01メディア: 文庫 クリック: 18回この商品を含むブログ (35件) を見る※俺が読んだのは前に書いたとおり朝日選書版 ようやく読み終えたが、これは抜群におもしろい評伝だった。著者の舌鋒がひどく鋭く、先行する北一輝研究に対して「この論文の文脈がまったく読めていないからである」だの「北の主張でも何でもありやしないのだ」だの「何もかもめちゃくちゃではないか」だのスパスパ切り捨てている。おもにぶった切られてるのは松本健一という人と松本清張だった。松本清張に対してはこんな具合だ。 松本のこの本は北研究上の珍本といってよく、北に対する無知というしかないいいがかりにみちている。しかも、それはことごとくテクストが読めないことと、基本的な素養の欠如に起因していて、いちいち暴露するのも気の毒のような態のもの