小島寛之氏がブログ上で本書を「魂ほとばしるゲーム理論の本」と絶賛していたのを見て読んでみた(http://d.hatena.ne.jp/hiroyukikojima/20100423/1272030229)。 確かに面白かった。 著者がゲーム理論について語る根幹の部分には「社会とはゲームである」という1つの確信がある。本書の帯には「相手の心、読めてますか?」とあるが、それだけでは社会がゲームであるということの意味が全く伝わらない。 社会がゲームであるということは、人の心を読むことと明日の天気を予報することが違うということと関係している。明日の天気を予報することはゲームではない。それは観察主体が客体をどれだけ正確に理解できるかという問題だ。 人の心を読むことは違う。なぜなら、相手もそうした自分の心を読もうとしているからだ。そしてそのことを知っている自分は相手が自分の心を読もうとしていることも
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