福田正人(群馬大学大学院医学系研究科 神経精神医学教室・准教授) 先進医療「うつ症状の光トポグラフィー検査」 先進医療とは,高度な医療技術を研究と診療の中間として位置付け保険収載について検討する制度で,2009年末時点で120種類の技術が指定されている。この先進医療のひとつとして,「光トポグラフィー検査を用いたうつ症状の鑑別診断補助」が2009年4月に精神医療分野として初めての承認を受けた。保険診療と併用でき,検査料は1万3000円程度である。 光トポグラフィー検査は,パルスオキシメータでも使用されている近赤外光を頭部に応用した,近赤外線スペクトロスコピィ(near-infrared spectroscopy;NIRS)の保険収載名である。大脳皮質の脳活動をとらえる脳機能画像検査のひとつで,「小型のポータブルfMRI」と言うとイメージしやすい(図1)。従来,脳外科手術前のてんかん焦点や言語